「神奈川県のド真ん中」に小田急線の巨大車両基地ができる!? “スマート新駅”も計画中

伊勢原~鶴巻温泉間に「スマート新駅」も。

伊勢原市に小田急線の車両基地と新駅を整備へ

 神奈川県の中央に位置する伊勢原市では、小田急線の新たな車両基地「(仮称)伊勢原総合車両所」や新駅の整備が計画されており、今後は大きな変化が見込まれます。

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小田急線の車両(画像:写真AC)。

「(仮称)伊勢原総合車両所」は、現在小田急線の車両検査を行っている大野総合車両所(相模原市)を移転する形で整備されます。大野総合車両所は、1962年10月に開設。車両の主要部分を取り外し、細部まで分解して点検・検査を行うことができる小田急唯一の重要な施設ですが、約60年が経過しており、早期の更新が必要な状況です。

 さらに、大野総合車両所は設立当時に多数を占めていた4両編成を前提とした施設のため、現在主力となっている10両編成の検査を行う際は、車両を分割したり、一部で屋外作業が必要になったりするなど、非効率な状況が続いています。現地での建て替えも検討されましたが、敷地内に余剰地がなく、設備を稼働させながら更新工事を行うことが難しいことから、移転整備に決定したという経緯があります。

 新たな総合車両所の整備をめぐっては、伊勢原市と小田急が2023年3月8日、「持続可能なまちづくりを推進する連携協定」を締結。この協定は、伊勢原市が推進している都市計画道路「田中笠窪線」整備事業と小田急が進める新総合車両所の建設の実現に向けて連携するものです。また、駅間が3.7km離れている伊勢原~鶴巻温泉間で新駅の実現にも取り組んでいくとしています。
 
 新駅は、ICTを活用してシームレスな行き来ができるような「スマート新駅」となる見込みです。

 総合車両所の面積は約17万4000平方メートルと大規模で、そのうち総合車両所や線路、付属設備棟、変電所などの鉄道関連施設は約9万6000平方メートルを占めます。これ以外に、緑地や調整池、構内通路なども設ける計画。総合車両所として整備する範囲は、洪水時の水没を避けるため、付近を流れる鈴川の既設橋梁と同程度の高さまで盛土造成するとしています。

 今後は2027年度から農業用排水路、下水・道路付け替えといった機能補償工事、2028年度から盛土・擁壁・基礎工事、2030年度から車両所工事に着手。2032年度に竣工し、2033年度からの操業開始を目指す方針です。

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