やっと…!超渋滞の「名神 一宮JCT」片側3車線化で解決なるか 実は苦肉の策「いずれ元に戻す」!?

全国屈指の渋滞区間である名神「一宮JCT-一宮IC」間の上り線が片側3車線化。渋滞緩和に大きな期待が寄せられていますが、実は“苦肉の策”ともいえる改良です。今後どうなるのでしょうか。

名神の大渋滞区間、とりあえず緩和か?

 名神高速上り線の一宮JCT-一宮IC間で、2024年9月7日(土)から3車線運用が開始。中京圏のみならず全国でも屈指の渋滞区間であり、周辺自治体からも長年、解消の要望が寄せられてきた区間の緩和が期待されています。

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名神上り線、一宮JCTの渋滞。3車線運用で渋滞の緩和が期待されている(画像:NEXCO中日本)。

 この一宮JCT-一宮IC間は、1日約8万台(2023年実績)の交通量があり、年間約1200回(2023年実績)の渋滞が発生しているといいます。

 これまで、交互合流を促す「ファスナー合流」などの対策により若干の渋滞緩和を実現したものの、同区間はサグと呼ばれる勾配が変化する部分があり、速度低下が発生するためボトルネックとなっています。抜本的な対策として、片側3車線に増やす工事が進められてきました。

 今回、3車線化するのは上り線のみで、一宮JCTの東海北陸道から名神への合流車線が、そのまま一宮ICまで延びる形です。下り線でも同様の対策が行われています。

 ただし、今回の片側3車線化は、ある意味、苦肉の策です。既存の車線や路肩の幅を狭めながら片側3車線に増やしており、幅いっぱいに車線を使っています。

 1車線の幅は通常の3.60mから3.25mに、路肩の幅も2.5mから0.75mにそれぞれ狭くなるため、緊急車両が通行する路肩の機能が失われます。また、この区間の最高速度は100km/hから80km/hに引き下げられます。

 通常ならば、橋桁を拡幅して付加車線を整備するところ、NEXCO中日本によると、下をJR線や名鉄線が通っており、鉄道交差箇所は工事が大がかりになることから、車線幅を変えずに3車線化しているのだとか。それでも部分的に拡幅し、約500mごと左側に非常駐車帯を設けるという変則的な形態となりました。

本当に渋滞が緩和される日は……利用者はわかってる?

 NEXCO中日本は過去にも、東名の音羽蒲郡IC-豊田JCT間で車線幅を変えずに3車線運用を行い、対策前と比較して渋滞回数が約9割減った実績があります。そのため今回の名神でも「大幅な渋滞緩和が期待される」と自信を見せます。

 その後、新東名が開通し、東名の同区間が渋滞しなくなると、3車線運用は2車線に戻され、80km/hに下げた最高速度も100km/hに復帰しました。

 今回の名神についても応急的な措置であり、周辺ネットワークの整備状況を踏まえ、「元の2車線に戻す可能性もある」としています。

 では、その時はいつでしょうか。

 SNSでは、名古屋高速一宮線から北へ、東海北陸道の一宮木曽川ICを直接的に結ぶ「名岐道路」、東海北陸道を一宮JCTから南へ延伸させ伊勢湾岸道へつなぐ「一宮西港道路」、この2路線への言及が多く見られます。

 名神の一宮IC-一宮JCT間は、前後区間と比較して交通量が1日2万台以上も多くなっています。というのも、名古屋都心部から名古屋高速を走り、一宮ICから名神を1区間走って、一宮JCTで東海道北陸道へ向かうという、一般道でいうところのクランク状の流れがあるためです。このクランクの2辺が延伸され“H”形になってこそ「完璧」といった意見が見られます。

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国道22号。高架の「名岐道路」が計画されている(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちなみに、今回のような路肩を削った特例的な片側3車線運用を行って渋滞を緩和させた路線に、名神よりも古い時代に開通した千葉の京葉道路があります。京葉道路の場合は2車線に戻すことは想定されておらず、路肩の狭い現在の姿が“本設”です。

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