ヘリ大手2社「英国軍の次期中型ヘリコプターの入札を辞退します!」懸念された問題とは

ヘリの採用で揉めること多い?

残るはレオナルド1社だけに…

 ロッキード・マーチンとエアバス・ヘリコプターズは2024年8月31日、イギリスの新型中型ヘリコプター(NMH)入札に参加しないと発表しました。

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レオナルドの軍用ヘリAW149(画像:レオナルド)。

 この入札は、イギリス空軍が現在運用しているプーマHC2中型支援ヘリコプターの後継機を製造するというもので、ロッキード・マーチンは傘下のシコルスキー・エアクラフトが製造したUH-60M「ブラックホーク」を、エアバスはH175Mをそれぞれベース機の候補として提示していました。

 なお、入札から手を引いた理由をエアバスは「パートナー企業とともに検討した結果、顧客の要求を満たしつつ、事業に十分な長期的利益をもたらす責任ある入札を、当選の見込みを考慮しながら平行して行うことは不可能」としており、金銭的な事情が大きいようです。既に2024年5月に発注機が当初の予定の44機から30機程度に削減されるという報道もあり、NMHの計画は縮小気味になっています。

 今回2社が撤退を表明したことで、残っているのはイタリアの防衛企業であるレオナルドの子会社であるレオナルド・ヘリコプターズUKのみとなります。同社はAW149を提供する方針を立てています。最終的な採用機の決定は2025年にイギリス国防省がする予定でしたが、今回、2社が不参加を表明したことで、計画を見送るか変更する可能性もあります。

 ただ、プーマHC2の最も古いタイプは約53年前に製造されたかなり古い機体ということで、早急な機体更新が求められているのもあり、レオナルド・ヘリコプターズUKは公式リリースで「AW149をイギリスの次期軍用ヘリコプターとして選択すれば、ヨービルに最先端の新しい生産ラインが構築されることになる。それは英国における設計と製造、知的財産への投資となり、数千の雇用を支え、輸出を促進し、英国の航空宇宙産業に大きく貢献することになる」とほかの2社にはなかったイギリス本国への大きな経済効果をアピールし、同機の採用を強く推奨しています。

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