都内なのに「30分に1本しか列車が来ない駅」が大化け!? モノレール延伸で活性化なるか

東京都瑞穂町は、多摩都市モノレールの延伸を見据え、箱根ケ崎駅周辺などを対象としたまちづくり基本計画(案)をまとめました。八高線との乗り換え駅となる箱根ケ崎駅は、どのように変わるのでしょうか。

モノレール延伸で乗り換え駅になるJR箱根ケ崎駅

 東京都瑞穂町は2024年8月、多摩都市モノレール新駅周辺まちづくり基本計画(案)を作成し、新駅周辺の整備イメージを明らかにしました。モノレール延伸で町内に新駅が2駅整備されることを見据え、駅周辺まちづくりの方向性を示しています。現在、JR八高線の単独駅となっている箱根ケ崎駅は、モノレールとの乗り換え駅となり、駅周辺の活性化が期待されています。

Large 230324 norimono 01

JR八高線の車両(画像:写真AC)。

 多摩都市モノレールは、上北台駅(東大和市)から約7.2km北西へ、新青梅街道沿いに八高線の箱根ケ崎駅までの延伸が予定されています。2024年7月には、多摩都市モノレールが延伸区間の軌道事業特許を国土交通大臣に申請しており、実現に向けた動きが本格化しています。
 
 延伸区間の新駅は7駅となる予定。瑞穂町内では箱根ケ崎駅の東側付近と、在日米軍・横田基地の北東にあたる殿ヶ谷・武蔵地区付近が想定されています。

 新駅が設けられる箱根ケ崎は現在、八高線が朝夕ラッシュ時に1時間あたり3~4本運行されていますが、日中は2本しかありません。対して多摩都市モノレールは現状で日中でも10分に1本のダイヤ。仮にこの本数で乗り入れば、箱根ケ崎の鉄道の利便性が格段に向上する見込みです。

 ただ、モノレールの駅はJR駅と若干離れるため、町は新たに生まれる乗り換えの流動を活かした市街地の再整備を目指しています。
 
 箱根ケ崎駅東口は瑞穂町の中心市街地であるにも関わらず、商業・業務機能の不足が指摘されています。まちづくり構想では、東口駅前広場の上空に、JR駅舎とモノレール駅舎を結ぶ連絡通路を設けることを明記し、イメージ図も公開しています。また、周辺に商業・業務機能を集積させて回遊性の向上などを図るほか、病院などを誘致する方針も盛り込まれています。

箱根ケ崎駅西口では公有地の活用も

 また、箱根ケ崎駅西口では、瑞穂町が所有する2か所の公有地を活用し、市街地の活性化を目指すとしています。町内にはモノレール延伸時に耐用年数を迎える公共施設が多数存在するため、これらを「西口の顔」として駅前に再整備する方針です。

 もうひとつの新駅ができる殿ヶ谷・武蔵地区付近の周辺では、殿ヶ谷地区で工業・流通団地を形成するほか、武蔵地区で「健康・スポーツ」「医療・福祉」「環境・エネルギー」「危機管理」など、成長産業を中心とした研究開発拠点を整備する方針が示されています。

 このほか、起業家を育成するインキュベーションオフィス、スマート農業関連施設、バスやタクシーが発着する交通広場、体育館などの整備が盛り込まれています。また、駅前の顔となるロードサイド型の飲食関連店舗も誘致するとしています。

ジャンルで探す