もはや“常磐道チョイ乗り”専用IC!? フル化する「三郷料金所スマートIC」の使いみち 鬼渋滞の回避テク大進化!?
常磐道の三郷料金所スマートICが近く“フル化”されます。同ICはかねてから、渋滞回避のために“常磐道チョイ乗り”という使われ方がありましたが、フル化でどう変わるのでしょうか。
常磐道「三郷料金所スマートIC」がフル化
常磐道の「三郷料金所スマートIC」が2024年度中にも“フル化”される見込みです。現在の「下り線(水戸方面)入口」「上り線(東京方面)出口」に加え、「下り線の出口」「上り線の入口」が追加され、全方向の出入りが可能になります。
これにより下り線は、首都高や外環道から常磐道に入ってすぐ、本線料金所に差し掛かる前に下りられるようになります。上り線もその逆が可能になるため、実質的に外環道や首都高への入口、という側面があるといえます。
三郷料金所スマートICは2008年、日本で初めて本線料金所に直結するスマートICとして誕生。当初は普通車のみが使えましたが、2020年には全車種に対応し、フル化工事も始まるなど機能強化が進められてきました。
この三郷料金所スマートIC、従来からちょっとした裏ワザ的な利用法が知られていました。
それは、流山ICまでの1区間、すなわち埼玉・千葉県境をなす江戸川の橋だけを利用するというもの。三郷・流山市街地を結ぶ「流山橋」があまりに渋滞するため、流山橋から北へ大きく迂回するうえにETC普通車で230円かかりますが、それでも時短効果がありました。
TX沿線からの“最も使いやすい高速道路IC”に?
そうしたなか2023年11月、流山橋の渋滞緩和を目的として、上流に「三郷流山橋有料道路」が開通。この道路が埼玉県側で三郷料金所スマートICと直結し、状況が大きく変化しました。
三郷流山橋有料道路は千葉県側で、つくばエクスプレス(TX)の並行道路である「都市軸道路」とつながっています。発展著しい千葉のTX沿線と東京方面をつなぐ新たなルートとしても位置付けられており、三郷料金所スマートICの上り線入口の開設は、TX沿線から高速道路(外環道・首都高)へアクセスする新たな選択肢となります。
現状、その役割の一端を担う流山ICから、三郷ICまでの料金は普通車で360円です。NEXCO東日本によると、新たな出入口を利用した場合の三郷料金所スマートICの料金体系はまだ決まっていないといいますが、三郷流山有料道路が普通車150円なので、三郷料金所スマートICからの常磐道の料金と合計しても大差はないと思われます。
常磐道を「乗ってすぐ下りる」 下り出口の使い道は?
では、首都高や外環道から常磐道に入って「すぐに下りられる」ようになる三郷料金所スマートICの下り線出口は、どのような使い道があるでしょうか。周辺にはすでに、三郷IC、外環三郷西IC、三郷中央ICなど、高速道路の出口が多くあります。
三郷料金所スマートICの下り線出口は、前出した三郷流山有料道路を介したTX沿線へのアクセスのほか、多数の大型商業施設への新たなアクセス路になりそうです。
この近くには、ららぽーと新三郷やコストコホールセール、IKEA、イオン吉川美南といった大型商業施設があります。これら施設と、外環道の並行道路にあたる国道298号との間は慢性的な混雑が発生しています。
三郷料金所は、これら施設の“裏手”に広がる田園地帯の中にあります。また、スマートICが接続する県道越谷流山線は、日本最大級の商業施設であるイオン越谷レイクタウンにも通じています。
スマートICの下り線出口は県道越谷流山線よりもやや北に接続しますが、渋滞する国道298号側からではない商業施設へのルートができるかもしれません。
なお、三郷市によると市内の企業立地が増加しているほか、料金所周辺で吉川市と新たな産業基盤づくりを計画していることから、スマートICの整備で企業立地の促進や地域活性化が期待されるとしています。いまはまだ、のどかな料金所周辺も、これから変貌していくようです。
09/01 16:42
乗りものニュース