東京・世田谷「激狭バス通り」のバイパス事業が本格化 環八‐仙川で進む“ゆったり道路”計画

住宅街に2車線の道路を造ります。

成城通りと松原通りを連絡

 東京都が整備を進める都市計画道路補助第54号線のうち、「上祖師谷II期」の事業が本格化します。

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都道118号の宮下橋付近。左側で補助第54号線(上祖師谷)の事業が進む(ドライブレコーダーより)。

 補助第54号線は、渋谷区富ヶ谷から世田谷区上祖師谷までを東西に結ぶ約9kmの道路です。戦後まもなく都市計画決定され、現在は主に環八通りの千歳台交差点前後が開通しています。

 2023年4月には榎交差点から祖師谷公園までの区間も延伸し、それまでの極めて狭い並行道路(都道118号)の通行環境が大きく改善。路線バスのルートも補助第54号線経由に移りました。

 ただ、祖師谷公園から仙川を渡り、神明社の裏を上って成城通りに至る「上祖師谷」の残り区間は事業が続いているため、狭い都道の現状は今後もしばらく残ります。

 そして今回、成城通りから、仙川駅に近い松原通りへ向かう「上祖師谷II期」区間が本格始動します。延長は上祖師谷四丁目から上祖師谷五丁目までの480mで、住宅街を横切る幅4.2~6.2mの細い生活道路を、幅15m(車道2車線・両側歩道付き)のゆったりとした道路に拡幅する計画です。

 すでに2024年1月に事業着手しており、8月29日には地元住民を対象とした用地説明会が開かれます。当日は用地取得の進め方や補償の概要などが説明されます。

 都によると、補助第54号線の整備により、地域の道路網が強化され、狭くて交通量の多い都道118号の混雑緩和をはじめ、防災性・安全性の向上などが期待されるとしています。

 なお、西端の調布市境から松原通りまでは「調布都市計画道路3・4・10号東京競馬場線」の若葉町二丁目区間として、同様の幅15mの道路が別途整備される計画です。

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