「第二アクアライン」実現へ本腰!? 花火大会にまで“名称復活” 10年を経て現実味帯びる“意外な理由”とは
第二の東京湾アクアラインともいえる「東京湾口道路」の計画がにわかに再燃しています。そのきっかけは、実はSNSの投稿。いま計画の進捗はどうなっているのでしょうか。
花火大会の名称に10年ぶり復活「東京湾口道路」
千葉県富津市で2024年7月27日、第9回となる「富津市民花火大会」が富津岬付近の海水浴場で開催されます。ただチラシなどを見ると、今年から名称に若干の変化が。「第9回 富津市民花火大会」のアタマに、「東京湾口道路建設促進」との文言が入っているのです。
東京湾口道路とは、第二の東京湾アクアラインともいえる計画です。アクアラインの南側、浦賀水道が狭まる神奈川県横須賀市の観音崎付近と、富津岬付近をつなぐ約17kmの道路として、昭和の昔から構想されてきました。
1997年のアクアライン開通後も、富津市などの千葉県側13市町が建設促進のための誘致活動を行ってきましたが、2008年に国が計画を凍結すると、促進協議会も2014年度を最後に開催されなくなっていました。
実は、富津市民花火大会の前身である「富津花火大会」も、もともとは“東京湾口道路建設促進”を冠し、50年以上にわたって開催されてきました。市民主体の花火大会として2015年に第1回が行われた富津市民花火大会が、10年目を迎えるにあたり、“東京湾口道路建設促進”の冠が復活した形です。
このように建設促進の動きが再燃するきっかけとなったのが、2023年、あるTwitter(現X)ユーザーが発信した1通の投稿でした。
三浦半島と富津岬を線で結び、「ここに橋が欲しい人、割といる説」とのツイートが話題を呼び、同年には9年ぶりに促進協議会の総会が開催、年末には千葉県と国土交通省への要望活動も行われたのです。
10年前とは状況が違う!
こうした要望には、「リダンダンシー(代替性)の確保等の観点」など、10年前にはなかった視点も盛り込まれています。富津市の担当者も「アクアラインの代替になりうるものが必要だという意見も見られるようになった」と話しました。
現在、東京湾口道路はどのような動きになっているのでしょうか。
富津市が旗を振る東京湾口道路の建設促進協議会は、2024年度に入り、企画政策部企画課から建設経済部の都市政策課に移管。建設促進協議会から格上げした「期成同盟会」の立ち上げに向け、房総の自治体や民間経済団体とも連携しながら、基礎固めを行っているといいます。
まずは千葉県側で期成同盟会を立ち上げ、継続的に要望活動を行っていきたいとのこと。なお、トンネル主体か、橋主体かといった道路構造はもちろん、誰が、いつ、どうやって整備するかという話も具体にはなっていないといいます。
ちなみに、東京湾口道路ができれば、アクアライン開通後も東京湾を横断する交通機関として残る「東京湾フェリー」(久里浜-金谷)は、その存続が危ぶまれることは必至です。前出のツイートでも、東京湾フェリーは「みんなフェリーで渡ろうよ…(震え声)」と反応し、応援コメントが多数寄せられることとなりました。
東京湾フェリーは、「東京湾口道路の実現は何年先かわかりませんが」としつつ、その動きを見守っていくようです。富津市の担当者も、「フェリーの代替等の話はまだまだ着手できていない」と話しました。
07/19 08:12
乗りものニュース