離島防衛の切り札か「ステルス巡航ミサイル」の生産増えます 自衛隊が渇望する世界的人気の兵器って?

「トマホーク」ミサイルより優秀です

アメリカより先に日本が導入決めた最新装備

 ノルウェーの大手防衛関連企業であるコングスベルグ社は2024年6月20日、ノルウェー国内に新たなミサイル生産工場を開設したと発表しました。この工場では、同社が開発した艦対艦/対地巡航ミサイル「NSM」と、その空対地/対艦巡航ミサイルバージョンである「JSM」が生産されるそうです。

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F-35Aから発射されるJSM(画像:コングスベルグ)。

 NSMは、艦艇発射型の巡航ミサイルで、敵によるレーダー探知を防ぐために高度なステルス性能を有しています。また、敵を識別するためのセンサーとして、先端部に赤外線画像シーカーを搭載。これが捉えた目標情報をあらかじめインプットされている目標データと照合することで、敵を正確に攻撃することが可能です。

 そして、その空中発射バージョンであるJSMは、ステルス戦闘機F-35A「ライトニングII」の兵器倉(ウエポンベイ)内に収納することができる唯一の長射程巡航ミサイルです。日本においても、航空自衛隊が運用するF-35A用に2018年度から取得のための予算が計上されています。ちなみに、世界最大のF-35A運用国であるアメリカ空軍では、2024年に入りJSMの導入を決定しています。

 生産工場を新設する背景には、NSMとJSMの世界的な需要拡大があります。コングスベルグ ディフェンス&エアロスペースのエイリーク・リー社長によると、NSMとJSMはすでに世界13か国で導入が決定されているとのこと。とくにNSMに関しては、アメリカ海軍の新型フリゲートであるコンステレーション級や、イギリス海軍の23型/45型駆逐艦など、主要国の海軍でも相次いで導入されているほか、ポーランド軍やアメリカ海兵隊では、地上発射型NSMの配備も始まっています。

 コングスベルグ社は、同社のミサイルに関する世界的な需要拡大に対して、今回の工場新設による年間生産量の増加で対応する構えです。

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