リニア「八方塞がり」脱すか 静岡県が“調査”に合意 認めるに至った理由とは

開通に向けた最初の一歩。

懸念は「解消できたと」と鈴木知事

 リニア中央新幹線の工事を巡り静岡県の川勝平太前知事が中止を求めていた静岡県と山梨県の県境のボーリング調査について、2024年6月18日静岡県は、山梨県、JR東海の3者による実施に関する合意を締結したと発表しました。

Large 240619 ri 01

テスト中のリニア中央新幹線車両(画像:JR東海)。

 これまで静岡県側のボーリング調査については、川勝前知事が「地下水が山梨県側に流れ込む懸念がある」として、合意なく工事を実施しないよう要請していました。

 この件に関して5月に就任した鈴木康友知事は、調査を容認する考えを示しており、6月7日に、山梨県の長崎幸太郎知事と面会して調査の実施に向けて連携することを確認しました。

 合意内容では「静岡県は、山梨県側へ流出した水に対し『静岡の水』という所有権を主張し、返還を求めるものではない」とし、掘削作業など人為的な要因で新たに流動する水量に関しての調査は、JR東海と静岡県が作業と並行して進めていくことや、水量が大きく変わるなどの問題が起きた場合は、健全な水循環の回復措置の必要性などが盛り込まれました。

 なお、鈴木知事は18日に県庁で開かれた記者会見で「取水停止により健全な水循環が保たれる」と認め、「静岡県が抱いていた懸念を解消できる」と合意内容を評価しました。

ジャンルで探す