ロシア軍の防空体制が弱体化!?「F-16対策の要」損害続出か クリミア半島で相次ぐ攻撃

ロシア軍の防空は穴だらけ?

ロシア軍の地対空ミサイルシステムに損害続出か

 ウクライナ国防省は2024年6月10日~12日にかけて、クリミア半島に駐留するロシア軍の地対空ミサイルシステムを、ミサイル攻撃によって相次いで破壊したと発表しました。

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ロシア軍のS-400地対空ミサイルシステム。この発射車両のほか、レーダー車両、指揮車両などで構成される(画像:ロシア国防省)。

 同国防省によると、6月10日にクリミア半島のジャンコイに位置するS-400地対空ミサイルシステムを1基、エフパトリアとチェルノモルスク(オデッサ州)に位置するS-300地対空ミサイルシステム各1基を攻撃したとのこと。攻撃により、地対空ミサイルシステムのレーダー停止を観測したとしています。
 
 6月12日には、クリミア半島のベルベク近郊に位置するS-300を1基、同地区とセヴァストポリに位置するS-400各1基を攻撃。合計で2基を破壊したほか、残るS-400の状況については分析中としています。
 
 ウクライナ国防省は、詳細な攻撃手法については明らかにしていませんが、アメリカ製の長距離陸軍戦術ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」が使用されたとみられます。
 
 S-300やS-400といった地対空ミサイルシステムは、巨大なミサイルを収める発射筒を備えた発射車両のほか、レーダー車両、指揮車両などで構成。2024年4月にも、ジャンコイ飛行場に配備されていたS-400がウクライナ軍のミサイル攻撃を受け、発射車両やレーダー、防空指揮所などが破壊されており、損害が目立ってきています。
 
 アメリカのシンクタンク・戦争研究所(ISW)は6月13日、「ウクライナ軍は、ロシアの防空体制を弱体化させることを目的とした取り組みを行っている可能性があり、それが成功すれば、ウクライナは長期的に航空戦力をより効果的に活用できるようになる可能性がある」と指摘しています。
 
 ウクライナ軍は今後、F-16戦闘機の配備を進める予定ですが、戦力化にはしばらく時間を要する見込みです。ロシア軍は「F-16対策」として、A-50早期警戒管制機とS-400を連携させ、占領地の防空能力を向上させることを画策していた模様ですが、いずれも損害が続出しており、暗雲が立ち込めています。

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