延伸の東関東道「支線」も必要? スポーツファン大助かり&高速バスも大変化な路線、具体化なるか

港の命運を握る路線かも?

東関東道と逆方向にちょろっと延びる“支線”

 2024年現在、東京湾岸と成田空港方面、太平洋岸を結ぶ東関東道を、潮来IC(茨城県潮来市)からさらに北の鉾田ICまで31km延伸させる事業が進んでいます。これにより東関東道が北関東道と直結し、常磐道より海側の迂回路が形成されますが、もうひとつ、この路線に「支線」的な道路をつくる構想も検討されています。

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現在の東関東道の終点、潮来IC。鉾田への延伸が進められている(画像:Google earth)。

 それが仮称「鹿行南部道路」と呼ばれるものです。潮来IC付近から東関東道の延伸部とは逆方向に、鹿島臨海工業地帯・鹿島港へと延びるもので、2021年に茨城県ならびに国の広域道路交通計画へ位置付けられました。以後2回、国の検討委員会も開催され、新たな構想路線のなかでは比較的具体的に検討が進んでいます。

 2024年6月に取りまとめられた茨城県から国への要望事項でも、「潮来IC~鉾田IC間の2025~26年度の全線開通に向けた整備促進」とともに、「潮来IC周辺と鹿島臨海工業地帯の中核となる鹿島港を結ぶ高速道路計画の早期具体化を図ること」として盛り込まれています。

 潮来ICから鹿島港までは直線でも10km弱と、ごく短い路線になりそうですが、工業地帯周辺の渋滞解消だけでなく、今後の鹿島港の命運を握る路線にもなるかもしれません。

 というのも、鹿島臨海工業地帯では、日本製鉄が高炉1基を2024年度末に休止する予定で、地域経済への大きな影響が懸念されています。その一方で、水素やアンモニアといった次世代エネルギーの供給拠点化を目指すなど、その姿を大きく変えようとしているからです。

 この周辺は鉄道アクセスが貧弱なため、東京と鹿島神宮駅や工業地帯を結ぶ高速バスがコロナ前は1日100便以上運行されるなど、高速バスが主要アクセスを担っている地域です。周辺にはサッカー鹿島アントラーズのカシマサッカースタジアムもありますが、現在、新スタジアムの計画も検討されています。新道路はこうした交通アクセスも変える可能性があります。

 とはいえ、新道路はルート帯もまだ具体化していません。目前に控えた高炉休止と、東関東道の延伸といった変化のなかで、次の矢として実現できるでしょうか。

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