首都圏―栃木の大幹線「新4号国道」に“高速”は通るのか? 「ビミョーに広い中央分離帯」の正体

首都圏―栃木の大幹線である国道4号のバイパス群「新4号国道」。6車線化や立体化も進んでいますが、埼玉から茨城県内にかけての4車線区間も、中央部がちょっと広くとられています。一体何ができるのでしょうか。

新4号の4車線区間に広い中央分離帯が

 東京方面と栃木県を結ぶ一般道の大動脈が、国道4号のバイパス「新4号国道」です。これは埼玉県越谷市から宇都宮市に至る5つのバイパスの総称で、栃木県内は全線6車線化済み。2024年現在は茨城県内区間も6車線化や交差点部の立体化が進められています。

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新4号国道のうち「春日部古河バイパス」区間。完成4車線だが中央分離帯が広い(乗りものニュース編集部撮影)。

 一方、埼玉県内は4車線となっていますが、「越谷春日部バイパス」から「春日部古河バイパス」にかけて、中央分離帯が広くとられています。これは、中央に高架道路を通す構想があるためです。

「東京でプッツリ途切れている首都高(1号上野線)からそのまま高架を通すのか?」と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。埼玉県内における国道4号バイパスのさらにバイパス、「東埼玉道路」の自動車専用部を延伸する構想なのです。

 東埼玉道路は、埼玉県八潮市内の外環道から北へ、日本最大のショッピングモール「イオン越谷レイクタウン」を貫き、春日部市内で新4号に接続する計画です。現在はレイクタウンの北まで、側道に当たる一般部のみが開通しています。

 その“本線”にあたる専用部も一部事業化されており、外環道接続部から松伏町内(仮称・浦和野田線IC)まで建設中です。専用部は開通後、NEXCO東日本の有料道路となる見込みです。

 松伏町以北の専用部は事業化されていないものの、一般部と同様に新4号へ接続し、そのまま新4号沿いを北上、国道16号と交わる「庄和IC」(春日部市)まで延びるという図面が、東埼玉道路の資料で示されています。

 ただ、新4号の広い中央分離帯は庄和IC以北も続きます。この点について国土交通省 北首都国道事務所に聞いたところ、最近、この“構想”に変化が生じたそうです。

「関東地方整備局が2021年に、『関東ブロック新広域道路交通計画』を策定し、その際、東埼玉道路の延伸部(専用部)は庄和ICから圏央道までが調査区間に含まれました」(北首都国道事務所)

 新4号と圏央道の交点は、茨城県五霞町の「五霞IC」です。圏央道の開通以降、この五霞ICを介し、東北道・圏央道と新4号を使って東京方面と栃木方面を行き来する交通が増えており、新4号の改良も五霞IC以北で進んでいます。

 そして、埼玉から続く4車線区間の中央分離帯が広くとられているのも、この五霞ICまでです。現時点で新4号の埼玉県内区間に改良などの動きはありませんが、将来、五霞ICはかなり重要なジャンクションになるかもしれません。

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