英軍の新戦車 ついに“ツルツル砲”での発射実験を行う 世界で唯一こだわったライフル砲から転換へ

滑腔砲を撃つ英国戦車!

60年間使い続けた戦車砲をついに置き換え

 イギリス国防省は2024年4月25日、配備予定の最新主力戦車「チャレンジャー3」の実弾試験が完了したと発表しました。

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プロトタイプとしてイギリス陸軍に納入された「チャレンジャー3」(画像:イギリス国防省)。

「チャレンジャー3」は、既存の「チャレンジャー2」をベースに大幅なアップグレードを施すことで調達される主力戦車です。幅広い最先端技術を盛り込み、高い火力と生存性を持ち合わせた車両となっています。

 最大の特徴が、約60年にわたってイギリス陸軍が使い続けてきた国産の55口径120mmライフル砲を、ドイツのラインメタルが生産する55口径120mm滑腔(かっこう)砲へと変更したことです。滑腔砲とはライフル砲のように砲弾を回転させる溝(ライフリング)を持たない内部の滑らかな砲身です。

 2024年現在、55口径120mm滑腔砲は北大西洋条約機構(NATO)の構成国など、いわゆる西側陣営の標準装備となっており、ドイツ製「レオパルト2」戦車やアメリカのM1A2「エイブラムス」戦車などと砲弾の共用化が図れるようになるほか、貫徹力の高い新型砲弾の運用も可能になります。

 実弾射撃試験はドイツ北部の射撃場で行われ、様々な距離からの射撃データをとったようです。なお、ジェームズ・カートリッジ国防相も現地を訪れました。

「チャレンジャー3」に関しては合計8両のプロトタイプが現在、各種の試験を行っており、性能検証とブラッシュアップが行われたのち、問題がなければ140両の「チャレンジャー2」が「チャレンジャー3」に改修される予定です。

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