高速道路が半額の「新・通勤割引」ついに範囲拡大! 全国5エリアで社会実験 24時間利用OK

石川県から全国へ!

高速道路の新たな通勤割引「通勤パス」

 NEXCO3社(東日本・中日本・西日本)は2024年2月16日、高速道路の「平日朝夕割引」に代わる新たな割引施策「通勤パス」の社会実験を、4月から新たに全国5道県(北海道、新潟県、山梨県、香川県、長崎県)のエリアで実施すると発表しました。NEXCO中日本管内の石川県(北陸道)で試行されている「フリータイム通勤パス割引」が、範囲を拡大する形です。

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高速道路の新たな割引「通勤パス」が全国6エリアで導入。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 事前登録で指定した区間の利用料金を、月初から月末までの1か月間、曜日や時間帯にかかわらず、最大50%割り引く制度です。全車対象の一律割引ではなく、指定した区間で利用できるETCのフリーパス商品として販売。このため、鉄道などの通勤定期に似通うところがあります。

 石川県の北陸道で行われている「フリータイム通勤パス割引」は、たとえば片山津IC~金沢東IC間の場合、10回分の利用額に相当する1万3200円(普通車)で販売され、その2倍にあたる2万6400円が利用可能額とされます。利用可能額を超えた分の利用も、50%引きとなります。ただし、同日内の4回目以降の利用については、割引適用なしの通常料金が別途請求されます。

 つまり、「10回分(5往復分)の通行料金を事前に支払えば、1日3回までは、月末まで同区間内を毎回半額で利用できる」ことになります。適用は24時間です。なお、1日3回というのは往復の2回と、買い物などでもう1回利用できるようにしてあります。

 既存の平日朝夕割引は、地方部の高速道路を対象に区間指定なく利用できるものの、平日朝6~9時、17~20時(各時間帯に1回のみ)に限られます。また、割引は翌月20日にETCマイレージサービスの還元額(無料通行分)として付与され、マイレージサービスへの登録も必須です。

 しかし、コロナ禍による勤務形態の多様化に対応できないうえ、渋滞緩和効果が限定的だと指摘されていました。時間帯に縛られない割引とすることで、混雑する前後の時間帯へ交通を分散する目的もあります。

新たな対象区間はどこ?

 新たに対象となる区間は次の通りです。

●北海道
・道央道 札幌南IC~北広島IC~千歳ICのうち、いずれか1IC間(4IC間)

●新潟県
・関越道 長岡IC、北陸道 中之島見附IC、三条燕IC、新潟西IC、磐越道 新潟中央IC、日本海東北道 新潟亀田ICの各IC間(12IC間)
※ただし、新潟西IC、新潟中央ICおよび新潟亀田ICの各IC間は除く

●山梨県
・中央道 大月IC、一宮御坂IC、甲府昭和IC、韮崎IC、須玉ICおよび長坂ICの各IC間(15IC間)

●石川県
・北陸道 加賀IC~金沢森本ICの各IC間(2023年度から継続)

●香川県
・高松道 白鳥大内IC、高松中央IC、高松檀紙IC、高松西IC、坂出ICおよび善通寺ICの各IC間(10IC間)
※ただし、瀬戸中央道と連続して走行する場合は対象外。

●長崎県
・長崎道 長崎IC、長崎多良見IC、諫早IC、大村ICおよび長崎バイパス川平ICの各IC間(14IC間)
※川平ICは、川平本線料金所を通行する場合を含む。ただし長崎県道路公社が管理するながさき出島道路または川平有料道路と連続して走行する場合は、当該道路の通行料金が別途必要。

 なお、この割引が適用される利用については、休日割引と深夜割引の適用対象外となるほか、通勤パスに申し込んでいる場合は指定区間の内外を問わず、申込月における全ての高速道路の利用が平日朝夕割引の適用対象外となります。現在試行を行っている石川県においても、2024年度以降は、上記の通り割引の重複適用関係が変更となります。

 社会実験期間は2025年3月末まで。石川県においては各月先着順で1000名のモニターを、北海道、新潟県、山梨県、香川県、長崎県の5道県においては各月先着順で500名のモニターをそれぞれ募集して行われます。

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