JAL 20年ぶりの新型国際線主力機 受入れのウラ側 初就航地は「NY」 “客室生みの親”が準備主導

JALが20年ぶりに導入した新型長距離国際線主力機「エアバスA350-1000」の最初の就航地となった、米ニューヨーク。日本だけでなく就航地でも、様々な準備が進められてきました。

実は「A350-1000」客室の生みの親?

 JAL(日本航空)が2024年1月24日より、20年ぶりに導入した新型の長距離国際線主力機「エアバスA350-1000」を就航させました。この最初の就航地として選ばれたのは、アメリカのニューヨークです。かの地でも、就航に向けて様々な準備が進められてきました。

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ニューヨーク・JFK空港で出発を待つJALのエアバスA350-1000(乗りものニュース編集部撮影)。

 2023年、JALはニューヨーク・JFK空港の発着ターミナルを「ターミナル1」から「ターミナル8」に変更。「ターミナル8」はリニューアルされたばかりで、JALと太平洋路線の共同事業パートナーであるアメリカン航空も発着することから、乗り継ぎの利便性の向上も図られました。

 そのような変化を遂げたニューヨーク便が、新型機の最初の就航地に選ばれたことについて、同社の新谷浩一ニューヨーク支店長は「決定は支店メンバーにとっても、意気が上がる嬉しい情報でした。ターミナル移転とあわせて、やってやるぞ!といった気分になりましたね」と話します。

 なお、新谷氏はニューヨーク支店長に着任前、A350-1000の客室開発を担当。「私自身、開発に携わっていたので、自分のところから入れてくれとは思っていましたね」と笑顔でコメント。

 完成された実機の客室を見て「本当に良く出来たなと思います。ファースト、ビジネス(中央席)はプライバシー性を確保するため、各席に高い壁を設置しているのがポイントなのですが、ここで生じる閉塞感を減らすため、手荷物の収納棚を取り払いました」と振り返ります。ただ、実機に装着される様子までは見ていなかったので、実機を見て「効果はあったな」と確信したそうです。

JFKではどのような準備が行われてきたのか

 ニューヨーク支店ではA350-1000受け入れた様々な準備があったといいます。機体への貨物の積み下ろし、機内食の搭載手順を確立させたほか、その機体形状ゆえに従来機よりも発着できる駐機場が少ないため、利用者が乗りやすい駐機場を確保するための調整などを行ったとのこと。

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JALの新谷浩一ニューヨーク支店長(乗りものニュース編集部撮影)。

「とくに貨物の積み下ろし方法の調整については、大変な準備でした。機体が変わると貨物を積み下ろす場所やポジションが変わるんです。実際の積み下ろしは業務委託先にお願いしているのですが、そのスタッフと新しいポジショニングをどうするかというのを調整しました。また、機内食を搭載するギャレー(簡易キッチン)の位置・配置などが全く変わりますので、そこの調整も必要でしたね」

 ニューヨーク線でデビューしたA350-1000は、1月末時点でダラス・フォートワース線、ロンドン線への投入が発表されており、今後も長距離の主要国際線に順次投入されると見られます。現在は2機ですが、最終的には13機となり、ボーイング777-300ERの後継機となる計画です。

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