ウクライナへの巡航ミサイル供与 またもや否決「ロシア領への攻撃を懸念」ドイツ

慎重な姿勢を取るドイツ。

与党は戦闘に巻き込まれることを懸念か?

 ドイツ連邦議会は2024年1月17日、航空機から発射するKEPD 350「タウルス」巡航ミサイルのウクライナへの供与を提案する動議が否決されました。

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「タウルス」を機体中央に搭載した「トーネード IDS」(画像:ドイツ連邦軍)。

 同ミサイルはドイツとスウェーデンが共同開発した、空中発射型の巡航ミサイルでスタンドオフミサイルに分類されます。ミサイルにはステルス性があり、公式の速度はマッハ0,8~1の亜音速、射程は500kmとされています。

 現在、ウクライナへ供与されている「SCALP-EG/ストーム・シャドウ」と同じくタンデム弾頭を有し、地下施設や強力にコンクリートなどで防護された指揮所などを撃破する為に開発されました。

 これまで「タウルス」に関しては、何度か供与の話が出ていました。しかし、ロシア領への攻撃に使用され、ウクライナ・ロシア両国間の争いにドイツが巻き込まれる可能性への懸念から、供与には慎重な姿勢であり、その度に見送りとしてきました。

 今回は、野党のドイツキリスト教民主同盟が提案を提出しましたが、与党の緑の党と自由民主党が反対票を投じました。

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