知られてないだけ? 新東名の「臨時駐車場」があまり使われていないワケ 夜の本線まで溢れるトラック

東名の夜間通行止めに備えて整備された新東名の「臨時駐車場」が、あまり使われていないようです。夜の新東名は、SA・PAの出入口やICのランプ、本線の路肩までトラックがあふれている状況。なぜ臨時駐車場が使われないのでしょうか。

東名夜間通行止めの救済策「新東名の臨時駐車場」閑古鳥

 日本の大動脈、新東名高速――2024年1月、平日23時台の上り線は、通行車両のほとんどと言っていいほど、トラックだらけの世界です。
 
 道路情報板のSA・PAの混雑案内は、大型車については軒並み「満」表示。休憩施設の出入口やICの分岐・合流車線などには、本線まで延びる形で、休憩中と思しきトラックが無数に駐車していました。もちろんこれは違反行為ですが、休憩施設の駐車マス不足でやむにやまれぬ事情もあるでしょう。

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平日23時台、静岡県内の新東名上り線。ICの合流車線横で休憩するトラックが(乗りものニュース編集部撮影)。

 その一方で、NEXCO中日本が整備した「臨時駐車場」は、バスの車内から見る限り、あまり使われていないようでした。

 この臨時駐車場は、新清水IC料金所の隣接地(高速道路外)にあり、1月9日から2月8日(木)までの平日、18時から翌8時の14時間だけオープンしているものです。大型車マス55台分が停められ、ETCを搭載した中型車以上が対象(トレーラー不可)とし、普通車や軽自動車は利用できません

 この期間中、東名高速の清水JCT~富士川スマートIC間の上り線で夜間通行止め工事が行われ、区間内にある由比PAと富士川SA(それぞれ上り線)が利用できなくなります。このため、迂回路となる新東名のSA・PAで混雑が予想されることから、救済措置として臨時駐車場が開設されたのです。

 NEXCO中日本の関係者によると、同社以外の事業者の用地も使わせてもらい、夜間通行止め工事のためにわざわざ土地を造成して臨時駐車場を設けたのだそう。新東名の本線上には、この臨時駐車場の混雑状況を示す情報板も別途設置されているのですが、ここだけは「空きアリ」表示でした。

 この状況について「検証が必要」と同氏は話しますが、なぜあまり使われていないのでしょうか。

利用は「2時間以内」のワケ

 ひとつは単純に、臨時駐車場の存在があまり知られていないこと。そしてトイレ以外「何もない」こと、もうひとつは、利用が「2時間以内」であることが考えられるかもしれません。

 2時間以内なのは、短時間の休憩を目的とする以外にもワケがあります。

 新清水ICで流出して臨時駐車場を利用した場合、2時間以内に上り線へ再流入すれば、高速道路を降りずに利用した場合の通行料金と同額に調整されるのですが、これは、指定されたICを下りて付近の「道の駅」を休憩施設として利用する場合のルールを、この期間だけ新東名で適用したもの。NEXCOの独自スキームではないので、変えられないのだといいます。

 ただ、このルールが設けられているICと「道の駅」は主に地方の休憩施設が少ないエリアで、新東名の利用者は、あまり慣れていないのではないかと話しました。

 今回の東名夜間通行止めに先がけ、新東名では清水PAと駿河湾沼津SA上り線の駐車マスも拡充されています。それにプラスして臨時駐車場を設けてもなおトラックが多く、いたちごっこの側面もあります。特に、深夜割引の適用が始まる0時の前は、割引待ちのトラックが本線上に滞留することが問題視されています。

「何もない」といっても、少なくとも本線上で休憩するよりかは安全であろう臨時駐車場、2月8日までに利用を伸ばせるでしょうか。

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