東京オートサロン初参戦のヤマハ、全力で「ホンダのバッテリー」推し!? 交換式バッテリーで“珍モビリティ”続々

市販モデルもあるのか!?

初登場のヤマハブースにあったモノ

 2024年1月12日(金)から14日まで幕張メッセで開催中の「東京オートサロン2024」では、ヤマハ発動機が初めて出展しています。ただ、そのヤマハブースの中心にあったものは、「ホンダのバッテリーステーション」でした。

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ヤマハブースの「Concept 451 (プロトモデル)」(乗りものニュース編集部撮影)。

 ヤマハは今回、ホンダの交換式バッテリー「Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック e:)」を採用した小型モビリティを多数出展しています。

 飲料の自販機ほどの大きさのバッテリーステーションに多数の交換式バッテリーを格納し、これを街中などに設置。電動バイクなどのバッテリーを満充電のものと入れ替えることで、充電時間を気にすることなくすぐに出発できるというサービスは、台湾などで広がり、日本でもENEOSグループのガチャコが都市部を中心にサービスを展開しています。

 ヤマハブースのバッテリーステーションの隣には、2人乗りのオフロードバギー「Concept 580 (プロトモデル)」が展示されています。モバイルパワーパック2個を使うモデルだそうです。

「こうしたバギーはもともとリゾート地などで使うものなので、そこまで航続距離を必要としないのです。2個使用することで大きなパワーを得られるほか、バッテリーを車体と切り離せるので軽量化にもつながります」

 スタッフがこう説明してくれました。複数台のバギーを使う場所にバッテリーステーションを設置すれば、電源も一つで済み、前出の通りバッテリーそのものを交換すればいいだけなので、効率化にもつながるといいます。

月面バギーですか!? 自由自在の乗りものたち

 そのバギーは、今回の展示のあくまで“一例”。今回のヤマハの目玉は、モバイルパワーパックを採用した小型低速EV汎用プラットフォーム「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」、つまり“駆動部と足回りだけ”です。

 これを活用し、車体を様々なメーカーとのコラボによって考案した複数のモビリティを展示しています。

 一人乗りの未来的なカクカクした乗りものから、筒状ボディのホンダ「モトコンポ」のような四輪モデルなど、その形は自由自在。バッテリー1個使用か、複数使用かで、用途に合わせて出力や車体の大きさも変えられるそうです。

 ヤマハはこのプラットフォームまず企業向けに提案し、ニーズに合わせたモビリティの創出につなげる構えです。今回の展示は、このプラットフォームを活用したモビリティのカタログのような意図があると話していました。

 なお、今回の出展モデルはどれも公道走行はできないそうですが、それが可能なモデルをつくることもあり得るといいます。その区分も、特定小型原付から小型特殊自動車など、様々に考えられるそうです。

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モバイルパワーパックのバッテリーステーションと、ヤマハの「Concept 580」。くどいようだがヤマハのブースである(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちなみに、モバイルパワーパックの規格は、もともとホンダだけでなくヤマハやKTM、ピアジオといったメーカーと共同で策定されたもの。それを活用したヤマハの展開が本格化しそうです。

 一方、同様にEV小型モビリティの「足回り」だけを提供し、車体は他の企業に考えてもらうというビジネスモデルは、スズキも2023年12月の「国際ロボット展」で提案していました。

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