富山のJRに大変革「氷見線・城端線」直通運転へ 「あいの風」に移管、新型気動車導入で「実施計画」最終決定

ついに「JRでは無くなる」が正式決定です。

JRからあいの風とやま鉄道へ移管

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城端線(画像:写真AC)。

 JR西日本は2023年12月18日(月)、富山県を走る2本のローカル線「氷見線」「城端線」の今後について、「鉄道事業再構築実施計画」を策定し国へ申請したと発表しました。

 氷見線は高岡駅から日本海側へ16.5km伸び、城端線は逆に南へ29.9km伸びる路線。いずれも他のJR幹線とは接続しておらず(北陸本線が第三セクターになったため)、「JRの飛び地」的な存在です。

 富山県や沿線自治体、JR西日本はこの2路線について、今後も持続させていくための方策を話し合ってきました。LRT化の話は無くなりましたが、「新型車両を導入し、あいの風とやま鉄道へ移管する」という方向性で「城端線・氷見線再構築検討会」が行われてきました。最終回となる第5回で、ついに上記の「実施計画」が策定。その最終内容が明らかになりました。

 内容は主に以下のとおり。11月末の第4回で発表された「素案」からは、内容がより具体的になっています。

・現24両をすべて新型車両へ置き換え。さらに10両を増備。今よりも高速化。※電気式気動車を基本とする。
・新型車両は「車両前面オリジナルデザイン」を採用する。
・経費は1両あたり4.5億円。計153億円。

・全駅で交通系ICカードへ対応。※約2年後をめど。

・増便を実施。氷見線は36本→約60本。城端線は42本→約60本。※高岡~金沢並みの運行頻度。
・城端線と氷見線は直通運転。
・日中はパターンダイヤ化。

・高速運転に対応した駅の分岐器改良。ホームのかさ上げも行う(760mm→920mm)。
・それらと同時期に、城端線と氷見線は「あいの風とやま鉄道」へ移管する。

・これらのために、既存施設やシステムの再整備。券売機や駅案内の改修。除雪用保守用車車両の整備。

 これらを行うのに、2036年度までの10年間で382億円が拠出されます。JR西日本はこのうち104億円を負担し、移管完了までに最終的に計150億円の負担となる予定です。

 ひとまずはICカードが早々と導入され、2028年度までに新型車両を導入してJRから「あいの風とやま鉄道」へ移管。2033年度までに氷見線・城端線は直通運転開始となる見込みです。

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