那覇~名護が1時間!?「沖縄縦貫鉄道」実現へ機運高まるか 宜野湾で「これからの駅まちづくり」

事業化の準備段階まで、少しずつ近づいてきています。

沖縄本島内の高速移動 実現へ機運醸成

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那覇市街を走る「ゆいレール」(乗りものニュース編集部撮影)。

 沖縄県は2023年12月8日(金)、沖縄本島内への新たな公共交通システムの導入に向け、「沖縄県鉄軌道導入に向けた講演会」を開催すると発表しました。開催は12月17日です。

 沖縄本島の公共交通はバスがメインとなっており、那覇市周辺都市圏~中部(沖縄市・うるま市)~北部(名護市)の相互移動は、市街地の渋滞もひどくスムーズとは言えません。そこで鉄道を整備して大幅な時間短縮を図るのが「沖縄鉄軌道」構想です。

 まずは2018年までに調査検討が進められ、たたき台となる推奨ルート案が作られました。最速で那覇~名護「55分」という数字が出ているのが、嘉手納を経由してまっすぐ南北に直結するルート案です。しかし途中には中核都市が西岸・東岸ともに複数あり、それらを経由するルートもいくつかあります。人口で沖縄県内2位・3位を占める沖縄市・うるま市を経由するもの、さらに金武と宜野座にも立ち寄るルートもあります。

 現在は、このたたき台から発展して、「かかる費用と得られる便益」などについて、毎年の調査で少しずつブラッシュアップしている段階です。今後、「便益が上回る。事業化してもよい」という確実な調査結果がまとまれば、都市計画決定や環境アセスメントの手続きを経て、事業化というプロセスになります。

 それを待つ間は、地元の機運が高まることが重要になってきます。そのため毎年シンポジウムやイベントで、沖縄鉄軌道プロジェクトのアピールが行われています。

 今回は、宜野湾市の会場で、「これからの駅まちづくりに求められるもの」というテーマで基調講演が行われるほか、中学生・高校生が神戸を訪問してさまざまな交通体験を行ったレポートが発表される予定です。

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