新宿駅の「西口地下ロータリー」に異変!? 足場組まれ「解体か!?」の声も 名物スポットは今後どうなるのか

新宿駅西口の地下ロータリーに、工事用の仮囲いが設置されています。今後このロータリーはどうなっていくのでしょうか。

大規模な駅前再開発が進行中

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新宿駅西口の地下ロータリー(乗りものニュース編集部撮影)。

 新宿駅の西改札を出ると、地上からループ通路でつながる「地下ロータリー」があり、タクシーやバスののりばになっています。

 この地下ロータリーが生まれたのは1966年ですから、もう60年近く新宿駅の風景に溶け込んでいます。設計を主導したのは建築家である坂倉準三氏で、「地下空間の地上化」というコンセプトを掲げ、このような吹き抜け構造を採用したといいます。

 この地下ロータリーの一部に、2023年11月現在、工事用の囲いがされています。SNS上でも「いよいよ再開発に伴って解体かな」「ロータリー無くなるの!?」という声が見られます。今後どうなっていくのでしょうか。

 東京都都市整備局の担当者は「西口地下ロータリーについては、具体的な再開発後の形はまだ検討段階で、工事が行われるのは先です」と話します。

 決まっているのは、2018年に制定された「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」で方針のひとつとして示された「現在の立体広場の持つ空間特性や考え方を継承・発展し、ボイドを広場の中心に据えた空間を形成」するということ、さらに西口地上部の歩行者空間の確保のため、ループ道路を撤去するということです。地下ロータリーは「次世代モビリティへの対応を考慮した交通結節機能」とされ、都庁脇からトンネルで西口までやってくるルートは残されます。

 前者はつまり、日光降り注ぐ今の地下ロータリーのコンセプトを堅持していくという意思表示に他なりません。この背景には、先述の設計者・坂倉氏が当時残した以下のことばがあります。

「西口広場がこれから先もさらに生き生きと使い続けられていくためには、今後の改修改造に際しては、この広場の本質を決めることになった地下空間の地上化の意味について改めて思い起こすよう望みたい」

では、いま現地で何をやっているの?

 西口地下ロータリーの今後については、方針だけで詳細は何も決まっていません。では、今現場で工事用仮囲いが設置されているのはなぜなのでしょうか。

「将来的に新宿駅の北半分、解体中の旧小田急百貨店のあたりに、JR新宿駅を大またぎする空中の東西自由通路『線路上空デッキ』が完成する予定です。その工事準備のため、中央通りから西口へ、ロータリーの真ん中をまたいでいく仮設スロープが建造されていきます。現場の仮囲いは、そのためのものです」(同担当者)。

 新宿駅の東西の行き来の不便解消は長年の課題でした。2020年にようやく地下の「東西自由通路」が完成しましたが、最終的にJR上空がまるまる橋上駅舎「新宿セントラルプラザ」となり、東西が一体化されて巨大な空中移動経路となる見込み。旧小田急百貨店の解体にめどがついた今、いよいよその橋上駅舎の工事の段階に入ろうとしているのです。

 現在、来年4月までの仮囲い計画が都から発表されています。それによると、仮設の橋台・スロープが覆いかぶさる旧小田急百貨店のエリア、つまりJR改札前の地下通路から出て小田急方面、また京王方面へ向かうエリアに、複数の囲いが現れる予定です。西改札や小田急・京王から都庁方面への通行には影響ありません。

 なお地下ロータリーでは来年4月ごろまで夜間の車両規制も行われる予定で、都庁方面からの通り抜けと、地上からのロータリーが、それぞれ通行できなくなる見込みです。

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