関西・中部圏 全通まで「あとちょっとな道路」5選 壮大な計画も気づけば大部分開通済み

あと少し、この部分がつながれば便利になるのに……。――関西・中部圏には、そのような建設中の道路が多数存在します。今回はそんな「あとちょっとな道路」5路線の進捗を見てみます。

じわじわと延伸 いつの間にか「全通寸前」な道路

 2021年8月、中部横断道の下部温泉早川IC~南部IC間がつながり、静岡~山梨区間が全通しました。「あとちょっと」と思われていた区間が難工事で遅れていただけに、今回の開通はSNSなどでも大きな話題になりました。

 以前、東京圏でこうした「あとちょっとな」歯抜け区間のある道路を紹介しましたが、関西・中部圏にもこうした道路はいくつも存在します。その中から5つ、進捗とともに紹介します。

新名神高速道路(2023年度全通見通し)

 名古屋~神戸間で名神高速道路の新線として整備される新名神高速道路は、全通に向けて2区間を残すのみとなっています。

 その最後の未開通区間は大津JCT(滋賀県大津市)~城陽JCT・IC(京都府城陽市)間の約25kmおよび八幡京田辺JCT・IC(京都府八幡市)~高槻JCT(大阪府高槻市)間の約10kmです。名神が大津市や京都市中心部へ急カーブや急坂で迂回するのに対し、新名神は京都府の宇治田原町を経由してまっすぐ高槻方面へ向かうため、所要時間も短縮が期待されます。

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工事が進む新名神。写真は八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT間の淀川橋(仮称)付近(画像:NEXCO西日本)。

 気になる進捗ですが、用地取得はほぼ100%完了。2区間はどちらも2023年度に開通予定。橋脚設置工事やトンネル工事などが同時進行中です。全通後は大津~大阪のルートが京滋バイパスを含めて3本になり、中京~近畿間のボトルネックがさらに解消されます。

京奈和自動車道

 京奈和自動車道は京都府~奈良県~和歌山県を連絡する近畿圏の広域的な外郭環状道路として整備が進められ、「京奈北道路」「京奈道路」「大和北道路」「大和御所道路」「五條道路」「橋本道路」「紀北東道路」「紀北西道路」の8つの道路で構成された高速道路です。事業中である城陽JCT・IC(京都府城陽市)~和歌山IC(和歌山県和歌山市)間のうち、大部分がすでに開通しています。

 残るは「大和北道路」の奈良北IC(仮称、奈良県奈良市)~郡山下ツ道JCT(大和郡山市)間の12.4km、および「大和御所道路」の橿原北IC(橿原市)~橿原高田IC間(同)の4.4kmを残すのみとなっています。2区間とも工事が進行中ですが、開通見通しはまだ発表されていません。

 次の開通予定として公表されているのは、「大和御所道路」の橿原JCT大阪方面接続ランプ(仮称、2026年春開通予定)です。国道24号線「大和高田バイパス」と「京奈和道」を直結するもので、開通後は交差部周辺の下道の慢性的な渋滞の緩和が期待されています。

繋がってほしいところがもうすぐ繋がる!

 大都市中心部を迂回して通過できる、いわゆる「バイパス路線」の整備も進んでいます。

阪神高速道路 淀川左岸線(2026年度全通見通し)

 阪神高速道路の2号淀川左岸線は5号湾岸線の北港JCT(大阪市此花区)から新御堂筋(国道423号)に接続する豊崎出入口(仮称、大阪市北区)までを結ぶ路線です。北港JCT~海老江JCTまでの1期5.6kmが2013(平成25)年までに開通済みで、これにより5号湾岸線と3号神戸線が直結され、環状線を経由せずに行き来することができるようになりました。

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淀川左岸線の2期工区のルート概要(画像:阪神高速道路)。

 2期工区は海老江JCT(大阪市此花区)~豊崎出入口間の4.4kmです。大阪駅・梅田地区の北側を淀川の左岸沿いに迂回する形で通過し、途中、国道176号バイパスの十三大橋付近に大淀IC(仮称)が設置予定です。

 この淀川左岸線の全通予定について、国土交通省は8月27日に、大阪・関西万博に合わせる形で、当初計画から1年前倒しとなる2026年度末としています。

 なお、豊崎出入口からさらに東へ、近畿道・第二京阪の門真JCTに接続する「淀川左岸線延伸部」(国道1号)の計画もあります。2016(平成28)年に都市計画決定、2032年の開通目標としています。

 淀川左岸線が延伸部を含め全通すれば、近畿圏を移動し、大阪市近郊を通過する交通流は、すべて環状線を通る必要がなくなり、大阪市中心部の混雑が飛躍的に緩和することが期待されています。

琵琶湖西縦貫道路

「琵琶湖西縦貫道路」は、滋賀県大津市内を通る「湖西道路」を中心として、「西大津バイパス」「志賀バイパス」「小松拡幅」「高島バイパス」」「湖北バイパス」で構成される高規格道路で、2012(平成24)年までに、南から「西大津バイパス」「湖西道路」「志賀バイパス」が開通。一方で滋賀県高島市内でも「高島バイパス」が1993(平成5)年に、「湖北バイパス」が2001(平成13)年に全線開通しています。

 未整備の区間は、「小松拡幅」という事業で位置づけられている大津市と高島市の市境付近の6.5kmです。うち、北小松トンネルを含む大津市側の2.4kmが、先行して2025年秋の開通予定で事業中となっています。また、「湖北バイパス」の最北端の旧マキノ町内の2.5kmでは、現道拡幅という形で事業が進められています。

 開通済みの「湖西道路」では坂本北IC~真野ICで4車線化工事を実施中。同時に、真野ICで接続する国道477号でも、真野ICから琵琶湖大橋周辺までの区間で4車線化事業が進められています。どちらも慢性的な渋滞の発生する区間であり、開通が期待されています。

「高島バイパス」は、安曇川付近の約1.5kmで側道のみの暫定開通の状態であり、藤樹神社口交差点などを中心に朝夕の渋滞が発生しています。こちらも、2016(平成28)年に高架部の工事が事業化され、2021年7月現在で橋脚設置工事が進められています。

中部地方では「乗り継ぎに便利なバイパス道路」が完成間近

 中部地方で目玉となる道路事業としては、東海北陸道がますます利用しやすくなるほか、やはり大都市圏をバイパスできるようになる路線が5年以内に全通見通しとなっています。

東海環状自動車道(2026年度全通見通し)

 東海環状自動車道は伊勢湾岸道および新東名の豊田東JCT(愛知県豊田市)から、東海北陸道の美濃関JCT(岐阜県美濃市・関市)を経由して新名神の新四日市JCT(三重県四日市市)までを結び、愛知県内から放射状に伸びる5本の高速道路を連絡する、総延長約153kmの高規格幹線道路です。

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淀川左岸線の2期工区のルート概要(画像:阪神高速道路)。

 2005(平成17)年に最初の区間である豊田東JCT~美濃関JCT間73kmが開通。伊勢湾岸道・東名と東海北陸道を使った名古屋市中心部を経由するルートのバイパスとなりました。また西側では、2012(平成24)年に大垣西IC(岐阜県大垣市)~養老JCT間が開通。わずか6kmほどの「東海環状道」でしたが、岐阜県側、三重県側で順次延伸開通。2026年に全線開通見通しとなっています。

 残る未開通2区間のうち、大野神戸IC(岐阜県大野町・神戸町)~山県IC(山県市)は2024年度の開通見通しです。この開通により養老JCT~美濃関JCT間は、名神・東海北陸道経由だと渋滞多発地点として悪名高い一宮JCTを通りますが、それが回避できるようになります。

 もうひとつの区間は大安IC(三重県いなべ市)~養老IC(岐阜県養老町)間。大安IC ~北勢IC(いなべ市)は2024年度、北勢IC~養老IC間が2026年度開通見通しです。これにより東海環状道は全通となり、東海環状道経由で新名神と東海北陸道を結ぶルートが誕生します。これまでは豊田東JCTや土岐JCTを経由したり、名古屋市内を抜けるなど複雑な乗り継ぎが必要でしたが、シンプルなルートで相互が結ばれるのは大きなメリットとなりそうです。

※一部修正しました(9月22日17時00分)。

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