「黄色い京急」なぜ? 「〇〇線カラー」のイメージ覆すレア色電車たち 東京圏の私鉄

鉄道車両のカラーリングはたいてい、「会社の色」や「路線の色」を反映していますが、なかにはそのイメージを覆するような車両が走っていることがあります。なぜその色になったのか、理由とともに東京圏の私鉄で紹介します。

京急×西武 会社を越えたコラボ車両

 鉄道車両はたいてい、その車両が属する会社のコーポレートカラーや路線カラーに準じていたり、または長年にわたって親しまれ定着してきたイメージカラーがあったりもします。例えば東急電鉄や京急電鉄が赤色、小田急電鉄が水色、西武鉄道が黄色、などといった具合です。

 しかし近年、各社はそれまでのイメージを一新するような、全く異なるカラーリングを施した車両を登場させています。今回は東京圏の私鉄で、そのような車両をいくつか紹介します。

京急「赤」→「黄・青」

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「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」。「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」とともに「京急は赤」のイメージを一新した(画像:京急電鉄)。

 京急電鉄は2014(平成26)年5月より、車体を黄色に塗装した「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」(京急イエローハッピートレイン)を運行しています。車両は新1000形電車1本のみ。黄色の理由は、同車の事業用車両(黄色)にヒントを得たためです。旅客を乗せず、なかなか目撃できない事業用車両は「しあわせの黄色い電車」とも呼ばれます。

 同社には青い車両も走っています。「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」(京急ブルースカイトレイン)で、運行開始は2005(平成17)年3月。車両は600形電車と2100形電車の計2本です。「羽田空港の空」と「三浦半島の海」がイメージされています。

西武「黄」→「赤」

「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」が西武鉄道の車両に似ているという声を受け、2014年7月に2社がコラボ。西武9000系電車1本が京急電鉄を模した赤色と白色のデザインになりました。車両は「幸運の赤い電車(RED LUCKY TRAIN)」として池袋線を走りましたが、2021年現在はワンマン運転化改造され、多摩湖線を走っています。

東急東横線は2本の特別塗装車両が走る

 東急東横線には、車体全体が緑色にラッピングされた車両が1本のみ走っています。これは、1986(昭和61)年まで同線などを走った初代5000系電車「青ガエル」を再現したもの。2代目5000系電車にラッピングされ、車体側面に復刻された「T.K.K.」のロゴなど、かつての車両が細部まで再現されています。

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東急5050系4000番台「Shibuya Hikarie号」(2021年2月、伊藤真悟撮影)。

 ちなみに同線には、黄色を基調にラッピングした「Shibuya Hikarie号」(渋谷ヒカリエ号)も走っています。複合施設「渋谷ヒカリエ」の開業1周年を記念し、2013(平成25)年4月に運行開始。側面には、渋谷の街の風景などもデザインされています。

京王「紺・ピンク」→「緑」

 アイボリーを基調に紺とピンクのラインなどをあしらう 京王線の電車にも、車体全体が緑色となった車両があります。2015(平成27)年9月、8000系電車のうち1本が、高尾山の自然をイメージしたラッピングに。ベース色である緑は、1957(昭和32)年から1983(昭和58)年まで運行された2000系電車を復刻したものです。

復刻塗装は東武鉄道にも

 白を基調にした東武8000型電車のうち、亀戸線と大師線を走るものには、昭和30年代の塗装を復刻した車両が計2本あります。どちらも試験塗装といわれるもので、ひとつは緑色の車体に白い帯、もうひとつはオレンジ色の車体に黄色い帯です。

 各社とも、記念や復刻などを機に車体色を変更している例がほとんどであり、本数はごくわずか。また、もともとのカラーリングの車両に混ざって運行されるため、見かけたらラッキーといえるでしょう。特別塗装の車両は、「○○線は○色だ」というある種の固定観念を吹き飛ばす存在かもしれません。

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