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1000円増しでガラガラ首都高は「アリ」? ロードプライシングのコスパとその影響

東京2020大会期間中、マイカーなどへの1000円上乗せでガラガラになった首都高。今後、首都高では上限料金が引き上げられるほか、今回のような「ロードプライシング」も本格展開される見込みです。果たして「アリ」なのでしょうか。

4連休初日でもガラガラ! しかし渋滞箇所も

「首都高のロードプライシングについては、いまのところ運営に特段の混乱は生じていません。平日昼間の首都高が渋滞しないなんて、普段は考えられないことです」

 これは、国土交通省が2021年7月26日(月)に開催した有識者会議「第51回 国土幹線道路部会」冒頭のひとコマ。東京2020大会期間中に首都高(主に都内区間)を利用するマイカーなどへ、一律1000円上乗せする施策の効果に、国土交通省の担当者も驚いている様子でした。

 部会では、今後の高速道路料金施策についての中間答申の案が発表され、混雑状況に応じて料金を上げ下げする「ロードプライシング」の導入が、その目玉のひとつとなっています。

 今回の首都高におけるロードプライシングをめぐっては、首都高を避けて迂回する交通のほか、都心への流入を抑制する交通規制もあって、外環道など一部の周辺道路で激しい渋滞が生じています。しかし、1000円上乗せの首都高を走った人からは、「上乗せでこんなに空くなんて、勉強になった」「1000円払ってこれならアリかも」といった声もSNSなどで見られます。

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4連休初日の2021年7月22日、湾岸線(西行き)杉田付近。

 オリンピック開会式前、4連休初日にあたる7月22日(木)のお昼前に、実際に首都高を走ってみました。区間は王子南(東京都北区、C2中央環状線)から幸浦(横浜市金沢区、湾岸線)まで。普段なら普通車の上限料金1320円で走れる距離です。

 4連休初日ともなれば激しく渋滞するはずのC2も、今回はスイスイ。湾岸線に入っても同様でしたが、空港中央から川崎浮島JCTまでは、アクアラインに向かうクルマで左車線のみビッシリでした。

 アクアラインで千葉方面へ向かうクルマの多さは、いつもと変わらないように感じましたが、実は空港中央から神奈川県寄りは、1000円上乗せの対象外(現金車は全区間対象)。上乗せ区間を避けてアクアラインを利用するため、空港中央から乗ってきたクルマで混雑していたとも考えられます。

1000円上乗せの元を取るには?

 その後やはりスイスイ進み、幸浦出口を通過するとき「利用料金は、2320円です」とアナウンスが。しっかり1000円上乗せされていました。

 今回のロードプライシングは、対象区間を少しでも走れば、普通車の下限料金である300円も1300円になってしまうので、短距離利用の場合は割高感が強いでしょう。しかし、王子南~幸浦間の場合、距離は65.5kmあり、仮に上限料金がなければ2200円近くかかるはずの区間。長距離を利用する人には、「1000円払ってこれならアリかも」という感想が出るのも頷けます。

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東京2020大会期間中の首都高料金。

 なお、2022年4月から首都高では、普通車で1320円の上限料金も1950円まで引き上げられます。現在は35.7kmまで料金が加算され、それ以上走った場合は据え置きとなっていましたが、今後は55kmまで加算の範囲が広がることになります。

 言い換えると、王子南~幸浦間65.5kmならば、これまでは29.8km分が実質タダだったところ、その無料分が10.5kmになる、ということです。長い距離を走るとお得というのは変わりません(現金車は区間によらず上限料金適用)。この上限料金の引き上げにより、利用を避ける人が増えて首都高が空くとは考えづらいところです。

 一方で、既存の料金を機動的に変動させるロードプライシングは、混雑を緩和させる可能性があることが、今回ある意味証明されたといえます。しかし、それによって周辺の一般道が渋滞したり、料金変動対象エリアの末端で混雑が生じたりする可能性も明らかになっています。ロードプライシングを実際どう展開していくのか、今後が注目されます。

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