「汽車土瓶」って何? 駅弁とともに限定復刻 実は常に売っている駅も

鉄道旅の楽しみのひとつでもある駅弁。そのお供の飲み物は今、缶やペットボトルが当たり前ですが、かつては土瓶にお茶を注いで売られていました。ただ、この汽車土瓶を今でも販売している駅があります。

「汽車土瓶」のルーツとは

 JR折尾駅(北九州市八幡西区)の駅弁「かしわめし」で有名な「東筑軒」が、2021年7月から創業100周年記念として「記念かしわめし」を販売しています。この商品で復刻版の掛け紙とセットになっているのが「汽車土瓶」です。

 汽車土瓶とはお茶を入れる焼き物のことで、1950年代ごろまで販売されていました。1889(明治22)年の静岡駅が始まりとされ、注ぎ口が付いた急須のような茶器から、小さな蓋にお茶を注いで飲むスタイルです。「記念かしわめし」は限定500個。購入できるのは東筑軒本社か折尾駅の立ち売りのみで、手にするのはなかなか難しいかもしれません。

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地上時代の折尾駅に停車する817系電車(画像:flickr)。

 そこで汽車土瓶について調べてみたところ、今でも汽車土瓶を売っている駅がありました。

 それはJR中央本線と小海線の小淵沢駅(山梨県北杜市)。地元の駅弁業者「丸政」が名物駅弁「元気甲斐」を作り続けており、特に駅弁愛好家に知られています。

 汽車土瓶はこの駅の売店「MASAICHI」で、「お茶土瓶」の名前で売られています。購入すると、無料で熱いお茶を入れてくれるサービス付き。しかしなぜ小淵沢駅で、すでに全国的には姿を消した汽車土瓶が売られているのでしょうか。

 実は1985(昭和60)年、テレビ番組の企画で看板駅弁「元気甲斐」が誕生した際に、汽車土瓶もあわせて復活させたのです。駅弁だけでなく、旅の思い出となるような商品も提供したいと、現在まで販売が続けられています。

 ペットボトルに比べれば重く、一見扱いづらい印象の汽車土瓶ですが、それだけに味わい深く、鉄道旅にはよいお供かもしれません。いずれ旅時間を丁寧に味わってみたいものです。

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