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これ「ランドクルーザー」? 名称だけじゃわからない 自衛隊が使う意外なランクル派生車たち

トヨタのランドクルーザーは警察や消防だけでなく自衛隊でも使われています。とはいえ、導入に際しては専用名になってしまうため、名称だけではランドクルーザーなのかわかりません。代表的なものをいくつか集めてみましたが、実に多種多様な種類が存在します。

新型ランクルは自衛隊にも採用されるか?

 トヨタの「ランドクルーザー」がフルモデルチェンジし、2021年6月10日(木)に新型300系が発表されました。ランドクルーザーは1951(昭和26)年に初代「BJ系」が登場して以来、今日まで連綿と改良されつつ生産・販売されているトヨタの代表的車種です。

 自衛隊の4輪駆動車というと、「ジープ」と呼ばれる73式小型トラックや、「パジェロ」ベースの1/2tトラックなどが比較的知られていますが、ランドクルーザーも一部で使われています。

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航空自衛隊の地対空ミサイル部隊などに配備されている「地上移動局衛星通信装置」(柘植優介撮影)。

 今回はランドクルーザーがベースに用いられている、自衛隊専用装備について見てみます。

地上移動局衛星通信装置

 これは航空自衛隊が使用する車両で、基地の外に展開する、地対空ミサイル部隊(高射部隊)や移動警戒部隊、移動通信部隊などに配備されているものです。

 野外での通信を確保するための装備で、宇宙空間にある通信衛星を用いて音声通信だけでなく高速データ通信も行えるとのこと。衛星回線を使うため、国内通信インフラの影響を受けることがなく、有事のみならず、大規模災害時や、緊急時などでも写真や動画の伝送が可能です。

 この車両は80系、100系、200系と、ランドクルーザーの各型式が定期的に導入されているため、もしかしたら、新型300系も調達されるかもしれません。

ランクルベースのレスキュー車

 ランドクルーザーがベースであるものの、フロントガラスから後ろを大幅に造り変えているため、ランクルファミリーとは思えないものもあります。

救難車

 これは航空自衛隊の車両で、飛行場のある基地などに配備されています。事故機の内部に取り残された人員を救出するために、スコップや斧、エンジンカッターや発電機など機体切断や破壊などを行うための各種器材を搭載しています。

 またフロントバンパー中央にはフックの付いたウインチも装備していますが、これは機体の外壁を剥がしたり、破片や残骸を除去したりするためのものだといいます。

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ランドクルーザーをベースに運転席から後ろを大幅に変えている「救難車」(柘植優介撮影)。

 救難車は自治体消防、いわゆる市井の消防署に配備されているレスキュー車(救助工作車)に類似する車両といえるでしょう。そのため、最近では多様な器材を搭載できる、キャブオーバーのトラックタイプが調達されるようになっており、ランドクルーザーがベースの車両は数を減らしつつあります。

 なお、救難現場において指揮をとる隊員が乗車する場合もあるため、「指揮車」と呼ばれることもあるようです。

 ちなみに、これとは別に、飛行場(基地)の外、山間部や海浜エリアなどでも救難活動に従事できるよう、悪路にも強い車両として「場外救難車」というのもあります。こちらは「メガクルーザー」などがベースになっています。

濃緑色のランクル でも名称は独特

 前出の救難車と異なり、見た目はほぼランドクルーザーそのままながら、名称だけではベース車がランドクルーザーとは思えないものもあります。

1/4tトラック(4×4)

 これは海上自衛隊や航空自衛隊に配備されている装備で、「業務車」などと呼ばれることもある汎用の支援車両です。

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航空自衛隊の「1/4tトラック(4×4)」。同様の車両は海上自衛隊にもある(柘植優介撮影)。

 これは複数メーカーから様々な車種が調達されているため、同一名称ながら「ランドクルーザープラド」も入っているほか、「パジェロ」「サファリ」「RAV4」などもあります。

 なお、以前は陸上自衛隊にもランドクルーザーを流用した車両として「衛星可搬局装置」がありました。これは、ヘリコプターの映像を総理官邸や防衛省などに伝送するための装備で、ルーフ上に大きなパラボラアンテナを取り付けていたのが特徴です。

 しかし、陸上自衛隊にはランドクルーザーよりも悪路に強く、かつ積載量の多い「高機動車」や「1 1/2tトラック」などがあるため、それらに更新されて姿を消しています。

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