コスパ最強? 九州のバスが乗り放題の「SUNQパス」、どれほどお得か

各バス会社が発行しているお得なフリー乗車券。なかでも九州には、1枚でほぼ全域を回れるという全国でも類を見ない規模の商品があります。対応路線数およそ2400というこの乗車券、どれほどお得なのでしょうか。

複数のバス会社で有効な大規模フリーパス

 旅先でいくつかのスポットを巡る際に便利なのが、バスのフリーパス型乗車券です。東京都交通局が発行している「都バス一日乗車券」(大人500円)や、京都市交通局が発行している「バス一日券」(大人600円)などは値段も安く、東京や京都の観光に活用されていますが、多くの場合、事業者ごとに発行されており、対象範囲も限られます。

 そのようななか、49社局が運行する約2400もの路線に対応という、全国でも類を見ない規模で展開されているものがあります。

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九州全域と下関のバスで使えるSUNQパス「全九州+下関版」4日間(1万4000円)の見本(画像:SUNQパス運営委員会)。

 商品名は「SUNQパス(サンキューパス)」。九州島内および山口県下関市周辺の高速バス、一般路線バスのほぼ全線と、一部のフェリーが乗り放題となります。これひとつで九州のほぼ全域を網羅できると言っても過言ではありません。

 パスの有効期限は3日もしくは4日。「全九州+下関」版が4日間で1万4000円、3日間で1万1000円、「北部九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分)+下関」版が3日間で9000円、「南部九州(熊本・宮崎・鹿児島)」版が3日間で8000円となっています。各事業者の窓口や、旅行代理店などで購入できます。

「九州はバス路線網が毛細血管のように広がっており、有名な観光地はもちろん、知る人ぞ知る観光スポットにもバスで行けます。『SUNQパス』さえあれば、九州観光をお得に満喫できますよ」――SUNQパス運営委員会の1社である西日本鉄道 自動車事業本部の赤瀬さんも、その利便性に太鼓判を押します。

「SUNQパス」が最初に登場したのは2005(平成17)年。もともと、国土交通省による実証実験として、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分5県内の高速バスを対象とした商品として販売されました。翌年には一般路線にも対象を拡大し、事業者も増加して九州全土で使えるように。いまでは韓国、台湾、イギリスの旅行会社でもこのパスが販売されており、2017年度には約147万人が利用。日本人よりも、地理的に九州と近い韓国からの旅行者が特に多いそうです。

「SUNQパス」、実際にどれくらいお得?

「SUNQパス」はどれほどお得なのか、福岡空港を起点に、九州の代表的なスポットを3泊4日で巡り、福岡空港へ戻るルートの料金を計算してみましょう。なお、カッコ内は旅程で使用する主な路線バスやフェリーの区間、運賃は大人片道の正規運賃です。

・1日目
福岡空港→福岡市内観光→(博多バスターミナル~佐世保バスセンター:2260円)→佐世保市内観光→(佐世保駅前~ハウステンボス:580円)→ハウステンボスのホテル泊

・2日目
ホテル発→(ハウステンボス~長崎駅前:1400円)→長崎市内観光→(長崎駅前~鹿児島中央駅前:6690円)→鹿児島市内ホテル泊

・3日目
ホテル発→鹿児島市内観光→(鹿児島中央駅~水族館前:190円)→(鹿児島港~桜島フェリーターミナル:160円)→桜島観光→(桜島フェリーターミナル~鹿児島港/160円)→(鹿児島中央駅前~熊本交通センター:3700円)→熊本市内ホテル泊

・4日目
ホテル発→(熊本交通センター~別府交通センター:4500円)→別府観光→(別府北浜~福岡空港:3190円)→福岡空港着

 上記のバスやフェリーの運賃を合計すると2万2540円。「全九州+下関」版が4日間で1万4000円ですので、8540円もお得です。ここで挙げたもの以外に路線バスに乗ることがあるかもしれませんが、そのほとんどで「SUNQパス」が使えます。

 ちなみに、「SUNQパス」ほど広範囲に使えるバスを対象としたフリーパスは、日本人向けにはありませんが、訪日外国人向けに高速バスを中心とした割安なパスがいくつか販売されています。なかでも“お得度“の高いものに、関東・関西を中心に青森から博多までの路線をカバーするウィラーの「Japan Bus Pass」(3日間で1万円)がありますが、「SUNQパス」も使い方次第では、それに匹敵するほど安く移動できるでしょう。

※記事制作協力:風来堂、松本玲子

【画像】「SUNQパス」が使えるバス事業者一覧

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九州全域、40社以上が運行するほとんどのバスと、4社のフェリーで有効(画像:SUNQパス運営委員会)。

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