台風10号 当初の予想より西よりに 28日頃から九州~東海に上陸・列島縦断か

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強い台風10号は、28日(水)頃から強い勢力で九州~東海に上陸し、列島を縦断するおそれがあります。当初の予想より西よりになってきましたが、列島直撃は免れない進路予想です。九州~関東では、27日(火)~28日(水)は大荒れの天気となり、北日本も28日(水)~29日(木)は荒天のおそれ。今日・明日中に早めに備えを進めましょう。

台風10号 海面水温の高いエリアを北上し更に発達

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台風10号は、25日正午現在、日本の南を1時間に30キロの速さで北西へ進んでいます。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。風速25メートル以上の暴風域を伴い北上中です。

小笠原諸島付近を北西に進み、父島では最大瞬間風速17.9メートルを観測しました(25日11:14)。

台風は海面水温27℃以上で発達しますが、台風10号は海面水温30℃以上の高いエリアを北上するため急速に発達。27日には上から2番目のランクの「非常に強い」勢力となり、中心気圧950hPaと発達のピークに。その後、28日には進路を東よりに変え、強い勢力で九州~東海のどこかに上陸し列島を縦断、29日~30日には上空の強い風にのってスピードアップしながら北日本方面に進み温帯低気圧に変わる見込みです。

当初の予想より西よりに北上 海面水温30℃以上で更に発達

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台風10号は、27日頃までは当初の予想より西よりになってきました。海面水温をみると、伊豆諸島より西では30℃以上、平年より2℃くらい高くなっています。これは、伊豆諸島より西側では台風が発生したり、通過したりしていないためです。

8月は台風5号~10号と立て続けに6個の台風が発生しましたが、5号~8号はすべて伊豆諸島より東側で発生しています。台風は海をかき混ぜるため、海面水温を下げる効果があります。実際、台風5号~8号が発生した海域では海面水温が平年よりも低くなっています。

台風10号は、高い海面水温を北上するため、あまり勢力を落とさず上陸するおそれがあるため警戒が必要です。

明日26日から台風の影響

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台風10号の北上に伴い、明日26日から九州~関東の沿岸部では次第に南風が強まり、波が高くなるでしょう。台風周辺から非常に湿った空気が流れ込むため、大気の不安定な状態が続きます。局地的な激しい雨や雷雨にご注意下さい。台風接近前からゲリラ雷雨が続くため、雨量が多くなっている所に台風本体の雨雲が近づくと災害の危険度が更に高くなるため土砂災害などに警戒が必要です。

27日に予想される最大瞬間風速は、四国と近畿で35メートルと、何かにつかまっていないと立っていられないような非常に強い風が吹き、西日本の海上では大しけとなるでしょう。

【波の予想】
四国地方 8メートル うねりを伴う
近畿地方 7メートル うねりを伴う
その後は、西日本で猛烈なしけとなるおそれがあります

[風の予想]
27日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
四国地方 25メートル(35メートル)
近畿地方 23メートル(35メートル)
その後は、西日本で猛烈な風が吹くおそれがあるため警戒が必要です。

28日を中心に大荒れ 暴風・大雨・高波・高潮に厳重警戒

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台風10号が最接近する28日は、中心付近の最大瞬間風速は60メートルと、走行中のトラックが横転するレベルの暴風が吹き荒れる予想です。また、台風本体の雨雲がかかるため、西日本・東日本の広い範囲で警報級の大雨や暴風になる可能性が高くなっています。暴風や大雨、高波、満潮時を中心に高潮にも厳重な警戒が必要です。

九州~関東では、27日(火)~28日(水)は大荒れの天気となり、北日本も28日(水)~29日(木)は荒天のおそれ。今日・明日中に早めに備えを進めましょう。

台風への備えを

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台風接近など災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。

① 避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。

② 非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。

③ 側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。

早めの備えをお願いします。

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