「子宮頸がんワクチン」打つ?打たない? 「不安」「がんが予防できるなら…」 無料接種キャンペーンは“9月末期限”の呼びかけも
副反応の論争が続く中無料接種のキャンペーンが行われている子宮頸がんワクチン。その接種の現場を見てきました。
8月28日、名古屋市立大学病院。
医療系の学生や病院職員が子宮頸がんワクチンの接種を受けていました。主に性交渉で感染するウイルスが原因の子宮頸がんを予防するためのワクチンです。
(1999年生まれ 接種した医療技術者)
「私は少しでも(がんになる)可能性が低くなるのであればと、打つことを決めた」
(2002年生まれ 接種した看護師)
「自分がどうなるかわからないのでまだ不安だけど、がんが予防できるならいいかなと思って打ちにきた」
登場してすぐ副反応が大きな問題となった子宮頸がんワクチン。12歳から16歳向けの定期接種が始まったのは2013年4月ですが、運動障害や体の痛みなどの報告が相次ぎ、国は2か月で接種を呼びかける「積極的勧奨」を中止。
一方、患者は国と製薬会社に損害賠償を求める訴えを起こし、現在、名古屋を始め四つの地裁で117人が健康被害を訴えています。
しかしその後、国は接種後の症状はワクチンの作用では無く「心身の反応」だと結論づけ、おととし4月「積極的勧奨」を再開していました。
(名古屋市立大学病院 足尾 陽 産婦人科医)
「『キャッチアップ制度』を広く進めるために今回、集団接種を実施した」
今、話題なのがこのキャッチアップ制度。積極的勧奨の中止で接種できなかった18歳から27歳の女性向けに、来年3月まで無料接種を受けられるというものですが、接種は3回必要で、それには半年かかるため、実質、9月末が期限となるのです。
今は国と医療界を挙げての一大キャンペーン中。8月に名古屋で開かれた「にっぽんど真ん中祭り」でも。
(名古屋大学医学部附属病院 新美薫医師)
「子宮頸がんは20代30代に多く発症し、子宮の入り口にできるがん」
愛知県医師会の面々が、そろいのTシャツ姿でワクチンの安全性を強調し接種を呼びかけます。
(来場者 2001年生まれ)
「身近な問題だと思った」
Q.今後、接種する予定は?
「考え中」
Q.なぜ考え中?
「まだあまり知らないので調べてからかなと」
(来場者 2006年生まれ)
「3回打った。母が毎回検査でひっかかるので打った」
とはいえ10年以上続く副反応論争に決着が付いているわ けではありません。打つか、打たないかは各個人が決めるしかない中、症状の原因究明や治療法の確立が求められます。
09/06 19:54
CBCテレビ