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来月開館の映画館、座席は国無形文化財の「丹波布」 「全席異なる柄、見てほしい」

丹波布の織手24人が携わったミニシアター「ヱビスシネマ。」の座席=丹波市氷上町成松

丹波布の織手24人が携わったミニシアター「ヱビスシネマ。」の座席=丹波市氷上町成松 Copyright(C) 2021 神戸新聞社 All Rights Reserved.

 見て、触って、座って、丹波布の魅力を知って-。開館準備が進む兵庫県丹波市氷上町成松のミニシアター「ヱビスシネマ。」に、丹波布を使った座席がお目見えした。国の無形文化財に指定された技術を駆使した丹波布。クッションカバーとして生まれ変わり、座席ごとに柄が異なる格子模様としま模様が館内を鮮やかに彩る。開館予定は7月上旬。上質の映画とともに、丹波布クッションの座り心地もお試しあれ。(真鍋 愛)

 改修中のミニシアターの建物は、2014年に住民運動で退去した、かつての暴力団事務所。同市を舞台にした新作映画「銀幕の詩(うた)」を撮影中の近兼拓史(ちかかねたくし)監督(59)=同県西宮市=が、20年3月に取得し、開館に向け整備を進めている。

 丹波布の座席は、改装を手掛ける細見工務店(丹波市春日町黒井)社長、細見典行さん(52)が「丹波の映画館にしかできないことをしたい」と発案した。織り手のイラズムス千尋さん(49)=同市=らが趣旨に賛同。イラズムスさんを含む丹波布伝承館(同市青垣町西芦田)の卒業生24人が協力した。

 手織りした丹波布をそれぞれが持ち寄り、縫製作家の指導を受けながら、1週間をかけて100枚のクッションカバーに仕上げた。カバーは43センチ四方。取り外して丸洗いができるよう、裏面に面ファスナーを施した。

 クッションは9日、織り手や映画関係者の手で、全50席の座面と背もたれに取り付けられた。手織りならではの温かみや、格子やしまの素朴な柄が特徴の丹波布だが、ずらりと並んだ光景は圧巻。イラズムスさんは「布の見本を大きな会場で見ているよう」と、にっこり。織り手の河津年子さん(83)=同市=は「柄が全部違うから不安だったが、並ぶと調和してきれい。一枚一枚丁寧に作ったので、大勢の人に見てほしい」と話している。

【丹波布】 丹波市青垣町佐治地域を中心に、農作業の合間に行う手仕事として発展。1957年、国の無形文化財に指定された。制作には、綿から手で糸をつむぐ▽栗の皮など、身近な草木で糸を染める▽緯糸(よこいと)の一部に「つまみ糸」という絹糸を使う▽手で織る-の四つの原則があり、作業は一貫して1人で行う。

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