政府の緊急事態宣言 今後の方針は

高齢者への「お誕生日メール」5千通超える 地域支援センター、困りごとを拾い上げ

高齢者に送るメッセージや案内を手にする職員の藤原さゆりさん=フラワー地域包括支援センター

高齢者に送るメッセージや案内を手にする職員の藤原さゆりさん=フラワー地域包括支援センター Copyright(C) 2021 神戸新聞社 All Rights Reserved.

 「フラワー地域包括支援センター」(兵庫県三田市富士が丘5)の職員が、フラワータウンで誕生月を迎えた高齢者宛てに郵送してきた「お誕生日メール」が、このたび5千通を超えた。1人暮らしや支援が必要な75歳以上が対象。返信用はがきも同封することでお年寄りのささいな困りごとや悩みを拾い上げ、支援につなげてきた。新型コロナウイルス禍で戸別訪問が制限される中、その手法が注目を集めている。(小森有喜)

 フラワータウンは、武庫が丘▽狭間が丘▽弥生が丘▽富士が丘-の4地区で構成される。1981年に入居が始まり、当時、30~40代の子育て世代が多く移り住んだ。約30年が経過した現在、親世代のみが地域に残るケースが増え、高齢化が顕著に。今年5月末時点、フラワータウンの65歳以上は6238人で、全体の3割を超える。武庫が丘2丁目など半数以上が高齢者の地区もあり、孤立を防ぐ取り組みが急務になっている。

 地域包括支援センターは市内に6カ所あり、市から委託を受けた民間事業者が運営。ケアマネジャーや社会福祉士ら専門知識を持った職員が相談を受け付け、課題の解決につなげている。

 フラワー地域包括支援センターでは、職員で看護師の藤原さゆりさん(48)らが提案し、独自の取り組みとして、2016年から誕生日メールを進めてきた。民生委員からの情報を参考にし、誕生月を迎えたお年寄りに送る。2020年は計967通を発送した。

 返信用のはがきも同封。趣味や生活ぶり、不安なことや困りごとを書いてもらう欄を設けており、4人に1人程度の割合で返事があるという。コロナ禍に入ってからは、人と交流する機会の減少や運動不足による機能低下を心配する内容が目立つ。職員は内容に応じて制度を案内したり、窓口につないだりしており、返事がない場合は電話をかけて安否を確認している。

 誕生日メールが支援につながった例は少なくない。「買い物に行けず困っている」という相談を受け、地域の買い物ボランティアを紹介した▽家に手すりを付けたいという内容から、設置費用に介護保険が適用されることを案内した▽「妻が認知症になった」という男性に成年後見制度を案内した-などだ。

 地域包括支援センターの制度は06年に始まり、「フラワー-」も開所から8年が経過した。職員の間には、地域にどこまで浸透できているか不安もあるが、誕生日メールを通じて徐々に認知されているという実感もあるといい、「何かあればあそこに相談すればいい、と知ってもらいたい」と藤原さん。最近では返信用はがきに「いつもお手紙ありがとう」と添えられることも増えたといい、コロナ禍に入ってから返信率も上がったという。藤原さんは「こんなことで相談するのは気が引ける、といったことこそ大事な場合がある。これからも続けていきたい」と話していた。

ジャンルで探す