4都府県の緊急事態宣言延長 愛知・福岡も追加

外来水草「ナガエツルノゲイトウ」ため池覆う 水害まねく恐れ

ナガエツルノゲイトウを駆除するため、遮光シートを広げる地元住民ら=洲本市五色町都志米山

ナガエツルノゲイトウを駆除するため、遮光シートを広げる地元住民ら=洲本市五色町都志米山 Copyright(C) 2021 神戸新聞社 All Rights Reserved.

 農業などに深刻な影響を及ぼす外来水草のナガエツルノゲイトウが、兵庫県洲本市五色町都志米山のため池「本田池(ほんでんいけ)」に繁殖していることが分かった。放っておくと水路に詰まって水害をまねく恐れがある。水田に広がって稲の成長を妨げ、収量の低下にもつながるとされ、地元住民らが駆除作業に乗り出した。1年や2年では終わらない戦いという。(中村有沙)

 ため池など水辺の環境保全に取り組む市民団体、兵庫・水辺ネットワーク(神戸市西区)によると、ナガエツルノゲイトウは南アメリカ原産で、茎にある節から根や芽が出て増殖し、水面を覆うように広がる。小さな断片でも節や根が残っていると成長する。国は、農業や生態系を乱す「特定外来生物」にしている。

 本田池では昨年10月、地元の岡本賢三さん(60)が池の水を抜く「かい掘り」をしようと淡路県民局に問い合わせ、視察に来た職員がナガエツルノゲイトウだと気付いた。池の約6割を覆っている。

 住民らは今年4月、水辺ネットワークの協力で駆除作業を始めた。岡本さんを含め、周辺のため池を管理する水利組合の約10人が、約100平方メートルある遮光シートを水面にかぶせた。

 光合成を防いで増殖を止め、枯死するのを待つ。11月ごろ、稲作を終え、ため池の水位を下げて作業がしやすくなってからシートをめくり、効果を確認する。駆除が成功していれば、シートの位置を移す。無くなるまで繰り返す。

 初回の作業を終え、岡本さんは「とにかく一歩踏み出せた」と、ほっとした様子。ただ、このペースなら、全て終えるのに約10年かかる見込みだ。作業に使った道具は同組合でまかなっており、「住民だけの力では金銭的にも人繰り的にも限界がある」と、助けを求める。さらに、「島内で他にも繁殖している池があるかもしれない。私たちの事例が気付くきっかけになれば」とも話す。

 拡大の原因としては、意図的に持ち込まれたり、断片が靴について運ばれたりすることが考えられる。水辺ネットワーク事務局の大嶋範行さん(69)は、「農業被害につながる繁殖力があり、地域全体の問題。行政がもっと積極的に動いてほしい。自治体を通じた国の補助金申請に加え、すでに繁殖している場所から別の場所に移すことがないよう、啓発活動も必要だ」と指摘している。

ジャンルで探す