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兵庫で16年ぶり誕生のイヌワシ幼鳥、死ぬ 専門家「育つ環境が悪化している」

昨年7月に巣立ちが確認されたニホンイヌワシの幼鳥=但馬地域

昨年7月に巣立ちが確認されたニホンイヌワシの幼鳥=但馬地域 Copyright(C) 2021 神戸新聞社 All Rights Reserved.

 昨年、兵庫県内で16年ぶりに誕生したニホンイヌワシ(国の天然記念物)の幼鳥が死んでいたことが確認された。親鳥の行動から断定され、県立人と自然の博物館は「心配していたが、残念な結果になった。幼鳥が育つ環境が悪化している現状を知ってほしい」と警鐘を鳴らす。

 幼鳥は昨年6月、但馬地域で、絶壁のくぼみにできた巣の中にいるのを同館の研究員らが発見した。

 同地域でニホンイヌワシの観察を続ける愛好家が今年3月下旬、幼鳥を産んだペアが追い掛け合うなどの求愛行動をしている様子を撮影。えさが少ない兵庫県で毎年の繁殖は不可能とされる。昨年生まれた幼鳥が順調に育っていれば親子で行動を共にし、求愛行動は見られないことから、幼鳥は死んだと判断された。

 ペアは一つの巣で相手が入れ替わりながら繁殖を続けるが、同じ巣で幼鳥が巣立ち後に死ぬのは3例目。狩りの能力が低い幼鳥の成長を支える環境が失われつつあるためだという。

 同館の布野隆之研究員(44)は「日本の山はかつてないほど森林に手が入っていない状態で、木が育ちすぎている。イヌワシは開けた場所がないと狩りができない。今後も生き残れるかどうか、ぎりぎりの状態だ」と懸念している。(山崎 竜)

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