4都府県の緊急事態宣言延長 愛知・福岡も追加

朝日新聞阪神支局襲撃から34年、「間違いを間違いと言える社会に」市民ら献花

小尻記者の遺影が飾られた祭壇で手を合わせる男性=西宮市与古道町

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 昨年と同様、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令される中で迎えた3日の憲法記念日。兵庫県内ではオンラインでの集会などで、参加者らが1947年の施行から74年になる日本国憲法について、改憲・護憲の立場を問わず考えを深めた。(末永陽子、浮田志保)

 憲法改正を訴える「日本会議兵庫女性の会」は昨年に続き、街頭活動を見送った。メンバーらは東京で行われた改憲フォーラムをオンラインで見守り、「憲法上の制約で十分なコロナ対策ができない。緊急事態条項を憲法に明記してほしい」と国会での憲法論議の活性化を求めた。

 改憲に反対する「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」は、集会を11月3日に延期した。ホームページなどで「コロナの時代だからこそ、誰もが平和で自由に生きることのできる社会を」と呼び掛けた。

 またこの日、西宮市の朝日新聞阪神支局が襲撃されて記者2人が殺傷された事件から34年になるのに合わせ、市民団体「平和と民主主義を進める西宮・芦屋の会」はオンラインで集会を開催。未解決の事件の風化を防ぎ、憲法21条で保障されている言論・表現の自由を守ろうと毎年続ける。

 社会学を専攻する神戸女学院大・景山佳代子准教授が講演し、国際ジャーナリスト組織による世界の報道自由度ランキングで昨年、180カ国のうち日本は67位だったことを「表現の自由が侵害されていることに危機感がないのが問題」と指摘。「公権力のマイクではなく小さい声を伝える」ジャーナリズムの重要性を訴え、「良い悪いの二項対立ではなく、誰もが自分を表現し議論の場に参加できる環境が必要」と結んだ。

 朝日新聞阪神支局では昨年に続き追悼行事を縮小。亡くなった小尻知博記者=当時(29)=の遺影を掲げた祭壇のみが設けられ、市民らが献花に訪れた。

 元上司が小尻記者と接点があり、毎年足を運ぶ林康文さん(68)=芦屋市=は「正義感の強い方だと聞いた。互いの意見を尊重し、間違っていることは間違っていると言える社会になるべきだ」と思いを語った。

 5年前から通う粟野真造さん(61)=西宮市=は「事件を風化させてはいけない」と表情を引き締めた。初めて訪れた公務員谷口博章さん(50)=神戸市灘区=は「小尻記者は無念だったと思う。報道の自由の大切さは守られるべきだ」と力を込めた。

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