イノシシでまちおこしを 「猪狩」地区でジビエ試食 兵庫・南あわじ

イノシシを使った料理が振る舞われた試食会=南あわじ市伊加利

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 田畑を荒らすイノシシを、まちおこしの起爆剤にしようと取り組む兵庫県南あわじ市伊加利地区の地域づくり協議会がこのほど、イノシシ肉を使った薫製や角煮を味わう試食会を開いた。住民のほか、吉備国際大学狩猟部の学生らを招いて料理の味やイノシシの活用法などについても議論。今後は市の「地域づくりチャレンジ事業」に申請予定で、将来的にはジビエを使った特産品の開発や観光施設の設立などに期待を寄せている。(西竹唯太朗)

 市によると、昨年度のイノシシ捕獲頭数は約3千頭。農作物被害額は約1千万円に上る。一方で、同地区の住人は約400人と減少の一途をたどる。観光施設や目立った名産品もほとんどなく、交通量の多い幹線道路に面している利点を生かし切れていないのが現状という。

 そこで、雇用を増やし若者を呼び込もうと、昨年度からまちおこしを企画し、今夏に実行委員会を立ち上げた。江戸時代の郷土史によると「伊加利」の語源が「猪狩」であることから、害獣のイノシシの活用策を考え始めたという。

 試食会には、地元の主婦や商店主が腕を振るったイノシシ料理5種類がずらり。参加した約30人は一通り口にした後、品評を行った。「すぐにでも売り物にできる」「意外と癖がない」と好評の一方、「脂が多すぎて途中できつくなる」など厳しい意見も目立った。「イノシシの脂身は2層になっており、1層を切り落とせばあっさりした味になる」など狩猟経験を生かした学生の意見もあった。同部の清田蒼孔(せいだそうこう)部長(21)は「捕獲したイノシシの活用法は部にとっても課題だった。今後は地元の人と協力して、可能性を探っていきたい」と話した。

 同地区には、西淡地域の旅館などで利用される「うずしお温泉」の泉源があり、まちおこしにはジビエとともに温泉の活用が鍵を握る。同協議会の的場信幸会長(60)は、「イノシシにちなんだ地区名と源泉を持つ立地。伊加利には他地域に負けない底力がある」と力説。「観光でも飲食でもとにかく若い人が残る環境をつくっていきたい」と先を見据える。

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