「プラダを着た飛行士」実現間近…月面用宇宙服に素材選びや縫製技術のノウハウ提供
【ワシントン=冨山優介】米宇宙企業アクシオムスペースは16日、イタリアの高級ファッションブランド「プラダ」と共同開発中の月面用宇宙服をイタリア・ミラノで公開した。米国が主導する有人月探査「アルテミス計画」で2026年9月以降、宇宙飛行士が月に降り立つ際に着用する予定だ。
米航空宇宙局(NASA)が22年にアクシオム社へ開発を委託し、23年にプラダが参加した。プラダは素材選定や縫製技術に関するノウハウを提供したという。
新しい宇宙服は白を基調とし、背中に生命維持装置を備える。約半世紀前のアポロ計画時代に比べて柔軟性や安全性が向上し、飛行士は宇宙船の外で最長8時間、活動できる。
アルテミス計画では女性や日本人の飛行士も月面着陸を予定しており、幅広い体格の人が着用できるように設計されている。
今後、水中での着用テストなどを経て完成させる。アクシオム社のマット・オンドラー社長は声明で「プラダとの協力は商業宇宙活動における異業種間協力のモデルだ」と強調した。
10/17 16:00
読売新聞