「元カレ味」「女のアレ味」の”大人のポテチ”…Xで1億バズりもヴィレヴァンで大量売れ残りが話題に…損害額を聞いてみた
各メーカーから多種多様な商品が販売されているポテトチップス。先日ネットをにぎわせたのは、“R18味”のポテチだ。いったいこれはなんなのだろうか。実際に食べたという人に話を聞いてみた。
【画像】元カレ味のポテチを開封! 中に入っていたものは……
バズった後に大量廃棄 幻のポテトチップス
その商品は、リトアニアのポテトチップスメーカーが販売している「CHAZZ D*ck flavor」。D*ckとは英語のスラングで、日本語に翻訳すると、男性のアソコ。つまり、珍棒味のポテトチップスというわけだ。
この商品を大手雑貨ショップ「ヴィレッジヴァンガード」が仕入れて販売したところ、大人気に……とはならず、まったく売れずに大量の在庫を抱えることになってしまったという。
11月初旬、定価1000円ほどのこの商品が、賞味期限間近のために100円で販売されていたと伝えるXのポストが、なんと1億以上のインプレッションを記録するほど大注目を集めた。
SNS上では興味を示す人が殺到した。
〈これ食べてみたいけど食べたくないんだよな〉
〈ゲテモノとかレアな味は基本挑戦したくなるタイプだけど、これだけは勘弁してほしい、吐きそう〉
〈これを作るために数々のち〇ぽを味見した開発スタッフがいると思うとあまりにもいたたまれない〉
〈めっちゃ欲しい!どこのヴィレヴァンに売ってんだこれ〉
そこで、味の真相を突き止めようと、さっそくヴィレヴァンに問い合わせてみたところ、ポストがバズったすぐ後に、賞味期限切れのためにほとんどの店でこのポテトチップスは廃棄処分になってしまったと伝えられた。
どれほどの廃棄や損害が出てしまったのかについては「数値面に関しては回答ができません」と、教えてもらうことはできなかったが、そもそもなぜ仕入れたのか担当者に聞いてみると、「未知の味であり、興味があって仕入れてみました」とのことだ。
また今回廃棄になってしまったこともあって、このシリーズのポテトチップスを仕入れる予定は、今のところないそうだ。
こうして、残念ながら日本で手に入れることが非常に難しくなったこの商品だが、ヴィレッジヴァンガードマニアの「ヴィレヴァン全店まわるひと【非公式】」さんがなんと、廃棄前に購入しており、味の感想を含めて取材に答えてくれた。
味の感想「とにかく臭く、まずい」
「まず、この商品を最初に見かけたのは今年の2月か3月頃だったと思います。全国で大量に見かけるようになったので相当数を仕入れたのかと。開けていない在庫の箱も山積みにされていて、かなり力を入れていたんだと思うんですが、10月11月頃になるとほとんどがセールで半額になり、期限が1週間くらい前になると100円で叩き売りされていました。
Xで大バズしたちょうどその日が賞味期限の日だったようで、翌日以降にものすごい量の問い合わせが店舗に殺到したそうです。それだけ人気になったのに全部廃棄というあまりにも悲しすぎる結末を迎えた、というのが事の顛末です」
本社からは回答が得られなかったが、やはりとてつもない損害を出してしまったことが間違いないようだ。今後仕入れる予定がないとしているのも当然だろう。
そして、気になる味の方は……。
「とにかく臭く、まずい。香辛料のエスニックな風味に、トマトのようなエグみ、酵母による発酵感、とにかく人間から発せられる臭さを既存の食品を使って再現しようというあまりにも馬鹿馬鹿しい、愚かな試行錯誤の集大成とでも言えるようなポテチです。
そして出来上がったのはまさに“ち◯ぽ”。美味い不味いは置いといて、これを作ったリトアニアのメーカーさんには賛辞を送るべきだと思います。あの味の再現にかけた熱量は本物ですから」
ちなみにこの商品は、男性味だけではなく、女性味も存在する。その名も「Pu*sy flavor chips」。意味は想像している通りだ。
廃棄になる前、ヴィレヴァンの店舗では、あのおなじみのポップに「元カレの味」「元カノの味」「男の花園味」「娘フラワー味」「男のアレ味」「女のアレ味」などと書かれ、売り出されていた。
また、CHAZZの公式サイトを見ると、商品の説明として「個人用ではなくシェアを推奨」「愛する人や心の広い友人へのプレゼントに最適」「これを味わった後、あなたは激しい恋愛の冒険、初恋を思い出すだろう」などと英語で記載されている。
味はともかく、若かりし頃の恋しい日々を思い出すのがこの商品の狙いなのかもしれない。
ヴィレヴァンで購入できる変わった味のお菓子
なお、現在この商品は、CHAZZ公式では「完売」と表示されている。バズった後に、日本から大量の注文が入ったのだろうか。だとすれば、ますますヴィレヴァンで大量の廃棄が出てしまったことはもったいないことだった。
「ヴィレヴァン全店まわるひと【非公式】」さんに話を聞くと、ヴォレヴァンではほかにも、激マズと評判の「タイヤグミ」や、タランチュラやバッタの昆虫食などが売っていて、値段も高いために売れ残っているように感じるという。
今回のような悲劇が起こらないためにも、見つけたら度胸試しに積極的に挑戦してみるのはアリかもしれない。ただ挑戦はあくまで自己責任で、後悔することを覚悟したうえで臨む方がよさそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部
11/19 17:10
集英社オンライン