今年で誕生50周年! 幅広い世代に読み継がれた名シリーズの特別展覧会「ねずみくんのチョッキ展」開催

 シリーズ累計490万部を超え、今もなお幅広い世代から愛される絵本『ねずみくんのチョッキ』。同シリーズが今年で誕生から50周年を迎えるということで、これを記念した特別展覧会「誕生50周年 ねずみくんのチョッキ展 なかえよしを・上野紀子 想像力のおくりもの」が開催される。

 第1作『ねずみくんのチョッキ』は、1974年に作家のなかえよしを氏と、画家の故・上野紀子さん夫妻による共同作業で生まれた作品。赤いチョッキを着た小さな主人公・ねずみくんと、その仲間たちの日常が描かれており、毎回最後に用意されているクスッと笑えるオチが持ち味のひとつだ。

 またシリーズの大きな特徴として挙げられるのが、鉛筆で描かれたモノクロの絵と大胆な余白、そして短い文章。「このシンプルな設計だからこそ、想像する余地が生まれる。子どもたちには自由に想像を広げてもらえたら」、となかえ氏は語る。

 “想像力”に主軸を置いた作風でシリーズを世に送り出し続け、巻を重ねること40冊。今回50周年を迎えたことについて、なかえ氏からは「ねずみくんの絵本も年をかさねました。今は、明るくカラフルで派手で目立つほうが、人の目を引いていいようです。でも、ねずみくんははずかしがりやで、気が小さいので、なるべく目立たないところのほうが心地よいようです。ですからねずみくんの絵本は、これまでずっと、絵も文字も少なくして、余白だらけのシンプルな画面です。それでも、その小さな絵本の中を、ねずみくんは毎日幸せにかけ回っています。ねみちゃんと」とコメントが寄せられている。

 そんな『ねずみくん』シリーズの誕生50周年を記念した同展覧会では、2024年5月10日(金)に発売される最新作『ねずみくんからのおくりもの』を含む全作品が集結し、原画やスケッチなど約200点が展示される。

 ちなみに『ねずみくんからのおくりもの』は、ねずみくんと仲良しな女の子・ねみちゃんを巡る物語。ある日ねずみくんは、ねみちゃんへチョッキとおそろいのリボンをヒミツの贈り物として用意していた。するとそこへ、いたずらビムくんがやってきてしまい、やむを得ず計画を打ち明けることに。これに「ヒミツなら だれにも いわないよ」と、約束して去っていくビムくんだったが……。果たして“おそろいで散歩をする”という、ねずみくんの願いは叶うのだろうか?

 ほかにも「ねずみくんのチョッキ展」では、なかえ氏が構想し、上野さんが描き出したシュルレアリスムの油絵「少女チコ」シリーズの作品や、2人の絵本作りの原点「ペラペラの世界」の原画も披露。これらを通して、夫妻が長年にわたって追求し続けてきた「想像すること」への取り組みが紹介されるという。

 そしてさらに、ねずみくんの原画展示や立体・半立体パネルのフォトスポットもスタンバイ。加えて自分で作る絵本や表紙のコラージュ体験、「ねずみくんへお手紙を書こう」を始めとした参加型の展示も盛りだくさん。『ねずみくん』シリーズが幅広い世代に受け入れられてきたように、同展覧会は親子3世代で楽しめる内容となっている。

 開催期間は2024年5月22日(水)から6月3日(月)、会場は松屋銀座8階イベントスクエア、なお期間終了後は、全国を巡回予定とのことだ。もし遠方で足を運べないという人は、続報に期待しておこう。

 絵本界の名作として半世紀ものあいだ読み継がれてきた『ねずみくん』シリーズ。その軌跡を辿るまたとない機会になっているので、気になる人はぜひ会場へ足を運んでみて欲しい。

■「誕生50周年 ねずみくんのチョッキ展 なかえよしを・上野紀子 想像力のおくりもの」概要
会期:2024年5月22日(水)~6月3日(月)※開場時間は公式サイトをご確認ください
開場時間:午前11時~午後8時
※5月26日(日)、6月2日(日)は午後7時30分まで。最終日は午後5時閉場。入場は閉場30分前まで
※土・日のみ、日時指定になりますので、アソビューにて日時指定をお取りください。
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
住所:〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1
主催:ねずみくんのチョッキ展実行委員会/特別協力:ポプラ社
アートディレクション:福島よし恵

■チケット※2024年4月26日(金)より販売開始
当日券:一般1,800円(グッズ付一般2,400円)、中高生1,300円(グッズ付中高生1,900円)、小学生800円(グッズ付小学生1,400円)
前売券:一般1,500円(グッズ付一般2,100円)、中高生1,000円(グッズ付中高生1,600円)、小学生500円(グッズ付小学生1,100円)
※入場料は全て税込価格。
※混雑時は、お待ちいただく場合や、整理券を配布する場合があります。
※チケット詳細は、50周年展覧会サイトをご確認ください。

ジャンルで探す