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〈立てこもり〉新証言「自衛隊に数ヶ月いた」「クレー射撃場に通っていた」長野4人殺害・青木政憲容疑者の過保護すぎた履歴書「野球部でアダ名は“あおまちゃ”」「高校生になっても両親が送迎」70歳の母を殺害された息子の慟哭…

長野県中野市議会議長の長男が自宅近くで2人の女性に切りつけ、駆けつけた警察官2人に猟銃を発砲、計4人を殺害した事件。長野県警が殺人容疑で逮捕した青木政憲容疑者(31)が猟銃や空気銃など計4丁の銃の使用許可を受けていたことが5月26日、わかった。中学時代は野球部で活躍し、地元高校を経て進んだ東京の大学を中退。帰郷後は、人付き合いを極端に避けるようになっていた。その一方で自衛隊の入隊経験もあり、射撃場に足繁く通う姿も確認されていたという。調べに対し青木容疑者は容疑を認めており、県警が詳しい動機を調べている。

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成人式にも出席

青木容疑者の中学時代の同級生の母親は、当時のことをこう振り返った。

「部活は軟式の野球部でレギュラーでしたよ。野球部はご多分に漏れず、みんな騒がしくてやんちゃな子ばかりだったけど、政憲くんはいつも静かでしたね。練習や試合中の声出しなんかも得意じゃなくて、ちゃんと声が出せてなかったみたいね。

大人しいけど避けられたりイジメられたりとかはなくて、みんなから『あおまちゃ』というあだ名で呼ばれて親しまれてました。彼のお母さんは学校の保護者会だけじゃなく、野球の試合にも必ず来てたから、教育熱心でかなり政憲くんを可愛がってたんだと思います」

同級生の男性もこう証言した。

「野球部員や親しい友達からは『あおまちゃ』って呼ばれてました。野球部だけど坊主を強制されるところじゃないから、髪型は報道されてるような短髪って感じでしたね。高校は地元ではちょっと知られた県立の進学校に行ったんですが、成績も中の上ぐらいで、何かが秀でて目立つ感じはなかったですね。とにかく真面目で、やんちゃなんてしたことないと思います。問題を起こしたり、ましてや他人に危害を加えるような奴じゃなかったから、同級生はみんなして今回の事件を意外だって驚いてますよ。

自分を主張するようなことはなくて、友達の話を『うんうん』としっかり聞いてくれるようないいやつだったんです。成人式にもスーツを着て顔を出していて、中学時代の思い出話をした記憶があります。同じような髪型で大人しくて『ああ、全然変わってないな』と思ったぐらいです」

市議会議長まで務める父の正道氏、果樹園やジェラート店の経営に成功した母親という「派手」な両親と違って目立たないが、友達思いのいい子。周囲が政憲容疑者に抱くイメージは一貫している。

中学時代の同級生の父親はこう語る。

「ご両親は色々やられてて目立つ人たちだから、親たちのあいだでも政憲がおとなしいという話は有名でした。正道さんには年に一回ぐらいは会う機会があって、数年前に政憲くん何してるのって聞いたら『農業やってるよ』って言ってましたけどね」

ここ最近は実質ひきこもりです

青木家の分家の男性は、政憲容疑者の最近の様子をこう振り返る。

「政憲くんは東京の大学に行った後、戻ってきて農業をやっているというのはお母さんから聞いていました。アイスクリームかジェラートか詳しくはありませんが、それをやっているのも聞いていました。

最後に会ったのは2、3ヶ月前でしたかね。回覧板を届けに行くと受け取りに出てきたのが政憲くんでした。普段着で特に生活が荒れてる雰囲気とかもなく、ごく普通に『ありがとうございます』と受け取ってくれましたよ」

家業の農業を起点としたビジネスに成功し、政治家としても頭角を表していた地元名士の父にとって、やがては分家を束ねる本家の跡取り息子となる政憲容疑者はどう映っていたのだろう。

一家の内情に詳しい古くからの知人はこう証言した。

「政憲君に最後に会ったのは去年の12月だったかな。元旦の催しに関することで配り物を届けに行ったら政憲君が出てきました。あそこはご両親が忙しいからいつも政憲君が対応するんだけど、無愛想というか、話しかけても話す気がないのか何の返事もしない時もありました。私も気を遣って話しかけるのですが、人付き合いが苦手というか。だからお父さんもお母さんも口には出さずとも心配はしてたと思いますよ。彼が高校時代もお父さんとお母さんが代わりばんこに送り迎えをやっていましたから」

過保護にされてきた本家の跡取り息子は、実家を離れて東京の大学に進んだが、一皮剥けることなく舞い戻ってきた。

知人が続ける。

「大学を中退したのも人付き合いがうまくいかなかったからと聞いています。父親は『このままじゃまずい』と思ったのか、そこで政憲君を半ば無理やり自衛隊に入隊させたものの長続きせず、2、3カ月で除隊してしまった。弟も自衛官になり、こちらは馴染んでいるのか今はたしか北海道の駐屯地にいると思います。

その後の政憲君は農業をやっていた時期もありましたが、ここ最近は実質ひきこもりですよ。一応、ジェラート屋で働いていることになっていますが、実際は何もやっていませんでした」

今朝、警察から電話がかかってきました

仕事もせず、人付き合いも苦手な長男坊が生きる糧としていたのは、自衛隊時代に身に付けた射撃だったようだ。知人は政憲容疑者が射撃場に通っていたことも知っていた。

「中野市にはクレー射撃場があったのですが、ここが4年ほど前に閉鎖することになり、市役所の職員が手続きのための視察に訪れたときに『政憲君がちょくちょく来ているよ』と聞いたそうです。銃の免許を所持していたことは今日の警察発表まで知りませんでしたが、自衛隊にいたころに興味を持ち始めたんですかね。なんであんな事件を起こしたのかと考えても、まったくわからないです。

散歩していた村上さんはたしか政憲くんのお母さんのお花の教室に通っていたと思いますが、政憲くんとは直接関わりはないはずです。強いて言うなら村上さんも竹内さんも2人とも耳が遠くて、散歩中はかなり大声で話していたので、それが原因なのですかね。

2人は世間話をするのが楽しみだったと思うのですが、毎日2人で散歩していて、それが家の中まで聞こえてくるくらいの大きな話し声だったので、それに逆上したとかはあるかもしれないです。もしそれが原因で殺されたんだとしたらむごいとしか言えないですが……」

現場で倒れたままで救助が遅れ、最後に死亡が確認された竹内靖子さん(70)の息子は、取材に対してこう声を振り絞るのが精一杯だった。

「今朝方、警察から電話がかかってきて『確認してほしいことがある』と言われました。それで、確認に行くと遺体安置所で母の遺体を見せられました……。今混乱していまして、ちょっと話ができないのですが……青木市議についてはもちろん知っています。母は散歩だったようですが警察の方も亡くなってしまっていて…ご迷惑をかけてしまってというか…悔しい思いではあるのですが、混乱していて今は話ができません」

4人の命を奪った政憲容疑者は容疑を認めており、父の正道氏は26日朝、“一身上の都合”を理由に議員辞職願を提出、副議長が辞職を許可したという。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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