「挂甲の武人」ブラザーズも“史上初”集結! ゆるかわでメロメロ…50年ぶりの超大型「はにわ展」

上野の東京国立博物館では現在、特別展「はにわ」が行われています。50年ぶりの超大型はにわ展。開幕直後からSNSなどで話題沸騰で、土日だと入場に長い列ができるという大人気の展覧会を、平日昼間に鑑賞してきました。

知識をじっくり深めたくなる秋。博物館・美術館ではえりすぐりの展覧会が華やかに開催されています。

質・量ともに日本一の博物館・東京国立博物館(トーハク)でも現在、特別展「はにわ」が行われています。10月半ばの開幕直後からSNSなどで話題沸騰! 土日だと入場に長い列ができるという大人気の展覧会を、平日昼間に鑑賞してきました。

上野駅からの人の流れも「はにわ」に向かう!? 大人気の特別展



50年ぶりの大はにわ展

東京国立博物館 平成館で行われている『挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」』(~2024年12月8日)。

会場には埴輪のイメージをくつがえすものも。こちら「埴輪 あごひげの男子」は高さ173cmもあり、日本人離れした雰囲気

教科書などで慣れ親しんでいる埴輪(はにわ)は、王の墓である古墳に立て並べられた素焼きの造形物です。古墳時代の3世紀から6世紀、東北から九州までの各地でさまざまな形のものが作られ、これまで発掘されてきました。

中でも郵便切手にもなった国宝「埴輪 挂甲(けいこう)の武人」は誰もが見覚えのある埴輪の最高傑作です。この埴輪が国宝に指定されてから50周年を迎えることを記念し、全国各地から約120件の埴輪や副葬品などが集められたのが今回の特別展。ここまで大きなスケールの「はにわ展」は、トーハクでも約50年ぶりだそうです。

史上初! 挂甲の武人ブラザーズが集結

大きな見どころは二つ。

見どころの一つ「埴輪 踊る人々」

一つはこちらも有名な「埴輪 踊る人々」の公開。ゆるさがなんとも和む埴輪ですが、東京国立博物館が創立150周年を機に寄附を募り、解体修理に着手。2024年に修理が完了して、修理後初のお披露目となりました。

5体ある「埴輪 挂甲の武人」の1体。被り物のひさしが深く、5体の中では一番表情が読み取れない。「恥ずかしがり屋?」というユーモアたっぷりの解説にクスリ

二つ目は言わずもがな国宝「埴輪 挂甲の武人」の展示。しかもただの展示ではありません。挂甲の武人には同じ工房で制作されたのではと考えられている4体のよく似た埴輪があります。普段これらは国内外の博物館・美術館に別々に所蔵されていますが、今回5体が史上初めて集結! 内1体はなんとアメリカ・シアトル美術館から、約60年ぶりに日本へ里帰りを果たしました。

ノリのよさに興奮! いつしか撮影に没頭……

ドラマティックな「埴輪 挂甲の武人」5体勢ぞろいの会場

その挂甲の武人ブラザーズの展示がこちら! なんてスタイリッシュ! まるでステージに登場後しばらく直立不動で歓声を浴び続けるの男性アイドルのようで、その見せ方には度肝を抜かれました。

この展示からも伝わるように今回の展覧会はかっこよさあり、ユーモアあり、埴輪のゆるいかわいさを存分に味わえるポップな演出もある、大変ノリのよい特別展となっています。 ほとんどの展示は撮影OKなので、いつの間にか撮影に没頭。時代が進むにつれて人間など生き物の埴輪が増えてくるのですが、見る角度によって表情が違ったり、ぽっかり開いている目を見ていると吸い込まれるように見入ってしまって、いつの間にか時間がたっていたり……。

著者が訪れたのは平日の午前中でしたが、展示物の前での滞在時間が皆さん長めなので、すぐに一番前で見られるということはほぼありませんでした。

一番笑顔に癒やされた「埴輪 笑う男子」を接写

最後の方は来場者もだんだん自分の好みが分かってくるからか、埴輪のお気に入りの“部分”を接写している人が増えていたのも印象的でした。

かわいさに魅入られ、どんどん写真撮影に熱が入ってしまう『挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」』。会場に入る前に、展覧会の内容を凝縮した約15分ビデオコーナーがあるので、まだ冷静な時にこちらを見てから入るのがおすすめです。

<DATA>
挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
会期:2024年10月16日(水)~12月8日(日)
会場:東京国立博物館 平成館

この記事の執筆者:藤丸 由華 プロフィール
東京のラジオ局のアナウンサー時代を含め約30年、東京にこだわった取材を敢行。取材した都内のスポットは2000以上。2008年に独立し、現在はAll About東京ガイド、フリーアナウンサー、2足のわらじで活動。(文:藤丸 由華)

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