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学ナビ 羅針盤 麗澤大学国際学部長・野林靖彦氏 教室と外の世界〝つなぐ〟もの見つけて

国際性に富んだ人材教育で知られる麗澤大学(千葉県柏市)。昨年4月には〝つなぐ〟をテーマにした国際学部が始動した。世界と日本の橋渡し役を担うのは、日本語学者の野林靖彦学部長。来年2月には学生らとともに、『高校生プレゼンテーションコンテスト』(産経新聞社協力)を主催する。コロナ禍と向き合いながら、ユニークな仕掛け作りで、学生らの挑戦を後押ししている。(聞き手・宮田奈津子)

--国際学部の特徴とは

「キーワードは〝つなぐ〟。共通性や違いを自覚し、異質なものをつなぐ。そして、摩擦に対処し、新しいものを誕生させる力を育てる。今の社会課題は、一つの学問では解決できないことが多い。専門分野や異なる背景の人をつなぎ、何ができるのか。人文科学系や社会科学系が融合し、文化や価値など人間をテーマにした議論をする」

--コロナ禍の船出に

「学生は海外への関心を維持していて、留学生らとの多様な交流を促すダイバーシティ(多様性)カフェの企画など、モチベーションは高い。計画通りに行かないことは多いが、コロナ禍だからこそ、気づけたこともある。国際は必ずしも海を越えるわけではなく、地域にもグローバルな問題がある」

--学部長は日本語が専門の言語学者だ

「国際といっても、自分たちの立ち位置が設定されていないと、外の世界は見えてこない。自分たちのことというのは自明のことすぎて忘れてしまう。日本と世界を両にらみでやっていくきっかけになればいい」

--自身の大学生活は

「社会学に関心があったが、勉強してみると捉えどころがなかった。迷い続け、ある日、文化の探り針としての〝ことば〟の研究に出あった。卒業研究は東北の語彙調査を行い、その後、文法論に興味を持ち、大学院はあっという間だった。世間から『何をしているの?』といわれるような期間が、今思うとアイデアを見つける時期だった。大学は、探索することを奨励する場だと思っている」

--来年、『高校生プレゼンテーションコンテスト』を主催する

「切り口は『SDGs(持続可能な開発目標)』『日本の伝統文化』『ポストコロナ社会』の3点。柔軟な発想で挑戦してみてほしい。大学生は、高校生に教える立場に立つことによって、自分の学ぶ姿勢が変化していくかもしれない」

--学生へメッセージを

「学生時代の調査を通して、言語は文献ではなく、生活者の中にあると学んだ。学問は社会と乖離(かいり)してはいけない。国際学は新参ものだが、新しい提案ができる学問でもある。そして、教室と外の世界をつなぐリアリティーが国際学部での学びの魅力だろう」

高校生プレゼンテーションコンテスト

来年2月11日、同大で開催予定。テーマは『日本の〝当たり前〟と世界をつないで、何ができるか』。応募資格は、グローバル社会への提案をしたい高校1~2年生。詳しくは同大ホームページへ。


のばやし・やすひこ 東京都出身。東北大学文学部日本語学科卒業。同大学院文学研究科日本語学専攻博士課程修了(文学博士)。専門は日本語学(文法論、意味論)。昨年4月から現職。

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