政府の緊急事態宣言 今後の方針は

【美村里江のミゴコロ】口内の100万円

失った歯を再生させる夢の医療が、幹細胞の応用で実現に近づいているそうだ。先天性の疾患で歯が発育しない人や、大きな事故で失ってしまった人には大変な朗報だと思う。

とはいえ、一般的に歯のトラブルといえば虫歯。皆さま、歯医者へ行くのはお好きだろうか。

私は昔から結構好き。もちろん虫歯は避けたいと思うが、どのように治療するか方法を聞いたり、ドリルの形や振動の違いを感じたり、麻酔注射の不思議な感じも毎回面白く体験する。

しかし、世間には「歯科医恐怖症」というのもあるほど、苦手な人は多い。私の身近なところでは、仕事関係者に複数人。その中で30代のお2人は、虫歯治療費に「200万円」「100万円」がそれぞれかかったそうである。

値段を聞いて私は驚き、「それ高すぎないですか? だまされていたり…」と心配した。まさか虫歯治療で「3ケタ(万円)」もすると思わなかったのだ。

200万円の方は「もう別のところに行ったり調べたりするのは面倒くさいし、親が払ってくれるのでいいんです」とのこと。親御さんに経済力があって何より。

もう一人の方はセカンドオピニオンも経由して、治療費はどこでも100万円以上と確認。それとなく考えていた引っ越しなどを諦め、治療費に回してなんとかすることにしたらしい。

このお2人の共通点は「口内が敏感」ということだった。何か特定の歯応えを好んだり苦手としたりする偏向性があり、その上で虫歯の痛みを自覚しても放置するくらい、歯医者嫌い。最終的に複数本が歯根まで侵食してしまい、治療費が膨れ上がったそうだ。

それでも毎回深~く後悔はするそうで、「虫歯だと思ったらすぐに歯医者へ!」と改めて力説する切実な表情が記憶に残った。

私は定期クリーニングのおかげでこの数年は治療の機会がなかったが、昨年、経年劣化した奥歯のかぶせ物を交換した。

ちょうど人生の半分、18歳のときに、それまで積み立てたお年玉の11万円で治療したセラミックの歯。いわば私の「経済的自立の記念」なので、18年の活躍の後に外された破片を見て、感慨深いものがあった。

コロナ禍で病院通いは悩ましい現在。とはいえ歯の再生治療実現は先の話なので、お心当たりのある方は早めに歯科へどうぞ。

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