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超速!量子コンピューター…そんなにすごいのか

[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「量子コンピューター」。 最先端テクノロジーの分野で今、最もホットなテーマの一つが量子コンピューターだ。世界最速のスーパーコンピューターで何年もかかる計算を、瞬時にやってのけるという。そんなにすごいのか。

■スパコンで1万年の計算 3分余り

 米国のIT大手グーグルの量子コンピューターが2019年にあげた成果は、量子技術開発の一里塚といわれる。複雑な計算問題を与え、最先端のスパコンと競わせたところ圧勝した。スパコンで1万年かかる計算を3分余りで解いたという。

 これを機に、世界の開発競争に拍車がかかった。計算速度の飛躍は、社会の変革をもたらしつつある人工知能(AI)の劇的な進化につながるからだ。これからの産業競争力は、量子をいかに使いこなすかにかかっているともいわれる。

 それは、各国の力の入れようにも表れている。量子暗号や量子通信も加えた量子技術の研究開発に対しては、政府主導のものだけでも、目下、米国が5年間1400億円、欧州が10年間1250億円の予算をつけている。中国は1200億円かけて研究所を建設している。

 民間ではグーグルのほか、米国のIBMやマイクロソフト、中国のアリババなどが巨費を投じて量子コンピューター開発にまい進している。カナダのDウェーブシステムズをはじめとするベンチャー企業の存在感も大きい。日本政府も2020年1月、「量子技術イノベーション戦略」をまとめた。この1年では300億円余りをつぎ込んだ。

■物体の最小の粒

 それでも一般にはなじみが薄い。試しに「量子」に関する読売新聞の記事を検索すると、10年前には1年で20本ほど。それが2020年は1年で約80本だった。にわかに脚光を浴びるようになったことがわかる。

 量子とは、身の回りの物体をどんどん小さくしていった時、これ以上細かくできない最小の粒だ。電子がその代表と言える。光の粒である光子もそうだ。ミクロの世界で電子や光子は量子力学の原理に従い、私たちの直感からはかけ離れた不思議な振る舞いをする。二つの粒が合体して消滅したり、真空から粒が生まれたりすることもある。

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