【ダニーの棋食徒然】バレンタインはチョコ職人の研究発表会

 二月といえば今や定番のバレンタインデーである。普段は大会用の将棋駒や盤が並ぶ関西将棋会館の事務室の廊下の机にも、この日ばかりは沢山(たくさん)のチョコレートが入った箱が並んでいる。
 昨年も藤井聡太七段をはじめ、多くの人気棋士にバレンタインデーの甘い品々が届けられた。まさに将棋ファンの皆様のおかげで、ありがたいことだ。かく言う筆者も、バレンタインデーが誕生日である兄弟子の山崎隆之八段へ誕生日プレゼントの代替物としてチョコレートを渡すことも多い。
 また、東京の将棋会館でも日本将棋連盟推薦のチョコレート「将棋 デ ショコラ」を販売している。綺麗(きれい)な駒の形をしており、将棋ファンには非常にうれしい品物ではないだろうか。
 さて、いただいたり、差し上げたりすることの多いチョコレートだが、バレンタインの時期は日本ではなかなか手に入らない海外のチョコレートが登場し、普段はチョコレートを使用しない菓子店からもチョコレートを使った新作菓子が出る頃であり、百貨店などの催事場で取り扱われている。
 スイーツ好きの筆者もこの時期はバレンタイン用の催事場を巡り、新作をチェックするのだが、口の中で雪のように自然に溶ける伝統的なものや、果敢に新素材に挑戦しチョコレートとの組み合わせを楽しませてくれるもの、味はもちろんのこと宝石と見まがうばかりの美しさを備えたものなどに、たびたび驚かされる。まさにチョコレート職人の方々の研究発表会ともいえるだろう。
 普段は何気ないお菓子として取り扱われることの多いチョコレート。せっかくのバレンタインデーの時期にその神髄を味わってみてはいかがだろうか。   (将棋棋士 糸谷哲郎八段)

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