【書評】『猫だましい』ハルノ宵子著

 ステージIVの大腸がんと診断された漫画家の著者の闘病体験や、両親の介護とみとり、数多のネコや大切な人との出会いと別れを、ユーモラスにつづったエッセー。
 がんの診断を受けた帰路に生ビール2杯を飲み、断酒必須の肝臓の数値を自己流の節酒法で下げるなど、どんな状況でもわが道を貫く著者。めちゃくちゃに見える行動だが、検査数値だけで人を診ない医者や、あきらめることをよしとしない社会への痛烈な批判でもあり、より自分らしい“死”とは何かを問いかける。
 各エピソードの内容を、著者が猫で表現した挿絵も秀逸。(幻冬舎・1500円+税)

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