宇都宮市・大谷地域の渋滞緩和社会実験 混雑みられず回遊性向上 お盆に実施

 宇都宮市は、今年のお盆期間中(8月10~18日)に大谷地域で実施した交通渋滞緩和に向けた社会実験の結果を公表した。観光スポットを低速で回る電気自動車「グリーンスローモビリティ」の運行や駐車場の運用効率化などを進めた結果、混雑はほぼ見られず回遊性の向上にも効果があったとした。市では今後、人気観光スポットの大谷地域の観光交通のあり方を検討していく。(松沢真美)
 グリーンスローモビリティは4日間の運行で計1353人が利用。アンケートでは77%が「満足」「やや満足」と回答し、地域内の自家用車での移動の抑制や各施設への回遊性の向上が確認された。ただ、一部区間で実施された自動運転に関し、走行中に手動に切り替える状況も発生し、技術レベルに応じた走行環境の整備が必要という課題も確認された。
 新たに導入した駐車場混雑状況管理システムは、9日間でサイトに訪れたユーザー数が約1500人。駐車場へ効率的に誘導でき、入庫状況の把握の精度が向上した。バスで観光客を運ぶ「パーク&バスライド」の期間中の利用者は9人で、今年のゴールデンウイーク時(10日間)に実施した際の利用者数35人から大幅に減少した。
 大谷資料館はピーク日の入館者数が7000人でゴールデンウイーク期間の最大6000人より1000人増加。大谷資料館や大谷寺周辺で発生していた混雑はほとんど見られなかった。
 市では実証実験の結果については今後さらに分析を進め、地域住民と情報共有しながら、観光地大谷にふさわしい観光交通について検討を進める。佐藤栄一市長は「グリーンスローモビリティ導入についての検討はまだだが、結果をこれから精査していく」と話した。

 大谷地域は宇都宮市北西部に位置する。約2千万年前の火山噴出で堆積した凝灰岩「大谷石」の産地で、古くから外壁材などに用いられてきた。帝国ホテルに使用されたことで知られる。平成元年には採掘場跡地の地下空間が陥没する事故が発生したが、近年は、地下空間で映画やミュージシャンのプロモーションビデオ(PV)撮影が頻繁に行われている。

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