次世代加速器リニアコライダーの日本誘致表明、期限延長

次世代加速器「国際リニアコライダー」の国内誘致を目指す超党派議員連盟や素粒子物理学者、建設候補自治体関係者の合同会議=7日、東京都千代田区(伊藤壽一郎撮影)

 素粒子を利用して宇宙の成り立ちを探る次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建設構想を進める物理学者の国際組織は、日本政府に求めていた国内誘致の意思表明の期限を年内から来年3月に延長した。誘致を目指す超党派の議員連盟や物理学者、自治体の関係者が7日、東京都内で開催した合同会議で報告された。
 政府の態度決定の参考にするため、文部科学省の依頼で構想の是非を検討している日本学術会議の議論が長引いていることから、国際組織が6日、年内表明は困難と判断し延長した。
 合同会議で議連会長の河村建夫衆院議員は「3月に向けて、政府や日本学術会議に理解を深めてもらうため全力で取り組もう」とあいさつ。米カリフォルニア大バークレー校の村山斉(ひとし)教授は「他の巨大研究計画を抱えている米欧はILCをやりたくてもできない。日本にとっての大チャンスをぜひ実現すべきだ」と呼びかけた。
 ILCは日米欧で分担する総建設費が約8000億円に上るとみられる。構想では他分野の研究を圧迫しないよう従来の科学技術予算と別の枠組みで費用を計上するとしているが、学術会議の議論では具体策が不明と批判されていた。
 万物に重さを与える素粒子のヒッグス粒子の特性を調べるILCは、主に日米欧の物理学者からなる国際組織が、岩手・宮城両県にまたがる北上山地に建設する構想を進めている。
 欧州では来年初頭、素粒子物理学の研究計画の更新作業が始まる。国際組織はこれまで、構想の実現は新計画にILC建設への協力の意思が盛り込まれることが必須で、政府が年内に誘致の意思表示をしないと間に合わないとしていた。
 学術会議は今年8月に構想の検討を開始したが、回答の決定は早くても今月19日の幹事会となる見通し。政府内での検討に必要な時間を考慮すると、年内の意思表明は困難だ。このため国際組織は期限を再検討し、都内で加速器の国際会議を開く来年3月7日までなら新計画に盛り込むことが可能と結論づけた。

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