外国人労働者拡大 人材難で受け入れ大転換 待遇、治安…課題山積

法務省の外観

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管難民法などの改正案骨子が12日、まとまった。大学教授など高度な専門人材に限っていた受け入れ政策の大転換となる。待遇や治安対策など課題が山積する中、来春の導入を目指す背景には、急ピッチで進めざるを得ないほど深刻な人手不足がある。
 「この2年半、全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えている」。安倍晋三首相は7月、外国人労働者受け入れ拡大の背景をこう説明した。コンビニの24時間営業や運送業の土日配達が中止されるなど、人手不足の生活や経済への影響は既に顕在化している。
 要因の一つは少子高齢化。労働力となり得る生産年齢人口(15~64歳)は毎年減少し、今年1月で初めて全人口の6割を切った。
 こうした中、外国人労働者は昨年10月末時点で過去最多の約127万9千人に。永住者や日本人の配偶者らが約35%で最も多いが、労働者として正式に受け入れているのは2割に満たない専門的・技術的分野のみ。人手不足は、国際貢献が目的の技能実習生や留学生のアルバイトで補われている実態がある。このため企業側だけでなく既に外国人が多数生活する自治体も受け入れ拡大に前向きな提言を出していた。
 だが数十万人単位での増加が想定され、政府は治安面と生活面の「管理と共生の両立」が不可欠とする。
 法務省によると、不法残留者は4年連続で増加。仕事がなくなれば犯罪に手を染めやすいこともあり、新制度で、受け入れ企業側に(1)入国前の生活説明などの支援実施(2)報酬は日本人と同等-などを必須とした。
 ただ、あと半年で新在留資格の対象技能分野や、自治体側の受け入れ態勢も決定しなければならない。異文化共生を受け入れる国民の理解も欠かせず、どこまで環境整備が進むかは不透明だ。(今村義丈)

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