「仕事内容は?時給は?主婦層にうってつけ?」スキマバイト『タイミー』経験してみた

橋本環奈のCMでもおなじみのタイミー

「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするアプリ「タイミー」。今年の9月には利用者が900万人を突破。一方で多くのトラブルも聞こえてくる。そこで、週刊女性編集部員が体験。現場では今何が起きているのかリアルにお届けします。

45歳女性記者が実際に体験!

 橋本環奈が「もっとバイトしタイミー♪」と笑うCMでおなじみのスキマバイトアプリ『タイミー』。アプリで気軽にバイトを始められる、募集できる、として当時、立教大学の学生だった小川嶺氏が'18年に立ち上げ、利用者数は年々増えていき今年の9月には900万人を突破。業界シェア率ナンバーワンに躍り出た

多くの人が利用する一方でトラブルの事例も多くあがっています。雇用される側からは『タイミーさんと呼ばれ、人間扱いされない』『ペナルティを科せられた』など、雇用する側からは『突然キャンセルされた』『まるでやる気がない』など多くの人が利用する分、トラブルも多いのです」(流通ジャーナリスト)

 子どもを持ち、時間の読めない主婦にとっては空いた時間にバイトができるタイミーは、相性が良い気がするけれど。そこで、読者世代の女性編集部員(45)が実際にタイミーを利用してみることに。

 登録を済ませていよいよお仕事選び(詳しい手順は上画像を参照)。位置情報サービスと連動しているため、自分が今いる近くのバイト先がわかる仕組みに。近所のコンビニや居酒屋の洗い場などが出てくるが、ほとんどが『経験者限定』と出てしまう。

 有資格の介護士や美容師、保育士、看護師に加えて、医師までタイミーで募集している。何の資格も持たずタイミーも初体験な自分にできるものをとりあえず探すことに。

 仕事のわずらわしい人間関係もなく、極力コミュニケーションをとらずに1人でできる職種を選択。たどり着いたのが《当日車で来れる方 未経験OK!》というポスティング業務。

 早速、応募ボタンを押しマッチング成功。履歴書も面接も不要、とはありがたい。その後勤務先のアカウントとLINEをつなぎ、さらにGPSアプリを入れ、翌日の仕事を待つ。

 この仕事は指定されたトランクルームでチラシを受け取り、指定されたエリアまで車で向かい、一戸建てのポストに配る流れだという。トランクルームの施錠方法などもあらかじめLINEで送られてきている。

4時間のすきまバイトで4304円の収入が

 ここまでやりとりはすべてLINEのAI機能のみで質疑応答もないため少し不安に。着いたら電話をかけるように、と指示があったためとりあえず電話するもつながらない。トランクルームの前で立ち尽くしていると、ベテランの女性タイミーさんが登場。

「初めてでわからないんですけど」

 と声をかけたところ、親切に教えてくれる。チラシを500枚配るのがノルマだというが、500枚はだいたいこれくらいだと仕分けしてくれた。彼女がいなかったらどうなっていたのだろうか。ベテランさんいわく、 

「私は前に30分も待たされた」

 とのこと。ベテランタイミーさんは颯爽と担当エリアへ車を飛ばしていった。記者はというと、ポスティング先のエリアが送られてこないためトランクルームで待つしかない。待つこと20分、担当だという若い女性から電話が来るも怠そう。

「チラシの写メ、LINEで送ってくださーい」

 チラシの束の写真を撮って送ると配布エリアの住所が即座に送られてきた。早速、現場へ向かうが車を止めるところがない。先方に電話すると、

「適当に止めてください。路駐切られたことないんでぇ」

 と言うものの、路上駐車で違反切符を切られたらたまったもんじゃない。ということで近くのパーキングに止めてお仕事開始。

 ラジオを聴きながらリュックを前に持ち、1軒ずつ配っていく。かなり重いがいい運動にもなるし、トラブルもなくチラシをほぼ配り終える。100枚ちょっと残ったが時間になったためトランクルームに戻る。残ったチラシを再び写メで撮って送り、先方から「お疲れさまでした」と連絡が来てお仕事終了。

 タイミーで仕事場に来たものの担当者と連絡がつかない、という事例はよくあるようだ。それでも当初の予定どおりの給与が支払われていたので今回の現場は問題はないといえるだろう。

働いた時間 4時間 
稼いだ金額 4304円

 1時間助手席に座っているだけで、1500円という楽そうなバイト。荷物の積み下ろし作業もないという。こんないい条件ってある?

 ということで早速、応募。今回はLINEでの連携もGPSアプリ登録など事前にやることはゼロ。現地の地図がタイミーアプリに送られてくるだけ。当日はあいにくの雨。大雨の中、指定のエリアから連絡先に電話をすると「ちょっと遅れます」とのこと。

 10分ほど待たされトラックがやってきた。先ほどやりとりしたのはこの運転手男性だったようだ。

 挨拶もそこそこに助手席に乗るように指示され、QRコードを読み取るように紙が置かれていた。これはタイムカードと同じで、出勤と退勤時にこのQRコードを読み取り勤怠管理をする役割だ。運転手さんとは会話もなくそのまま搬入作業に。どうやら移動はなく、ここでひたすら搬入作業を待つようだ。

 ケータイをいじっていたらあっという間に1時間が過ぎ、無事に仕事終了。QRコードの勤怠が40分だったため修正報告するようタイミーから求められる。《先方都合で開始時刻が遅れたため》と記入し、先方もすぐに修正を認めてくれて無事にお仕事完了

子どものPTA活動よりずっと楽

 よくあるトラブルとしては修正報告を雇用主がしてくれない、ということがあるようだが、それもなく終了。

働いた時間 1時間 
稼いだ金額 1500円

 タイミーの売りはなんといっても報酬が最短10分で振り込まれ、すぐに引き出しが可能なこと。どちらのバイトもその日のうちに報酬が手元に。しかし、几帳面な人や雑に扱われることに憤りを感じるタイプの人には不向きともいえる。

 記者の友人は「子どものPTA活動よりずっと楽」と、生き生きとタイミー活動をしている。日頃、わずらわしい人間関係に疲れている主婦にはお金ももらえて放っておかれてグッド率100%だといえよう。

タイミートラブル例1

・ペナルティ
 仕事をドタキャンすると始業時間から逆算して4~7ポイントのペナルティがつき、累計8ポイントとなると一時的にアプリの利用が停止されてしまう。無断欠勤の場合は即利用停止となる。グッド率100%のタイミーさんしか応募できない仕事も多い。ペナルティになることはしていないのに雇用主に意見をしただけでグッドがもらえないなどのトラブル報告も。

タイミートラブル例2

・勤務時間と日数制限
 短時間で高収入を得たいが、単価が安く掛け持ちするしかない場合も多いだろう。しかしタイミーでは勤務時間や日数に制限が設けられていて、1日1件までしか働けない。時間にすると週39時間までだ。また、同企業での報酬は月額7万8000円未満まで。あくまでもスキマバイトの副業と割り切るべし。

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