自民党が衆院選の公約発表、政策活動費は「廃止も念頭」…防災庁設置や避難所改善も掲げる

自由民主党本部

 自民党は10日、衆院選の公約を発表した。派閥の政治資金規正法違反事件を踏まえ、党が所属議員に支給する政策活動費(政活費)は「将来的な廃止も念頭に」あり方を検討すると明記した。防災対策では、石破首相(自民総裁)が唱える防災庁の設置や避難所環境の抜本的改善などを掲げた。

 公約は「ルールを守る」「暮らしを守る」などの6本柱で構成し、具体策を列挙した「政策BANK」も公表した。

 公約原案で政活費は「透明性の確保」を図るとの表現にとどまっていたが、より踏み込んだ。政活費の監査に関する第三者機関設置のほか、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や未使用分の国庫返納なども明記した。

 今年1月の能登半島地震なども教訓とし、防災対策では「災害関連死ゼロ」を目指し、災害発生後、避難所でベッドやキッチンカー、風呂などを速やかに利用できるようにすることを打ち出した。

 外交・安全保障政策では、日米同盟を基軸に「地域の安全と安定を確保する取り組みを主導」するとした。首相の持論である「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設を念頭に置いたものだが、具体的な記述は見合わせた。

 このほか、物価高対策として、低所得者世帯への給付金支給を訴えた。社会保障では、パート労働者らの勤労意欲をそぐとされる「年収の壁」の見直しや、基礎年金の受給額底上げを強調。憲法改正の早期実現も盛り込んだ。

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